10月から始まる「先物取引の税制改正」ーー元国税の税理士が注意点を解説
相談LINE / 2016年2月5日 20時0分
あまり知られていませんが、平成28年度税制改正では、先物取引の課税についての改正が予定されています。原則として、FXなどの先物取引については、その利益に対し、地方税を合わせて一律20%の分離課税で税金がかかります(復興税は除きます)。反面、先物取引の損失がでれば、その損失は翌年以降3年繰り越しができ、繰り越した損失は将来の先物取引の利益と相殺することができます。このような特例的な課税がなされる先物取引の範囲が、一部見直されます。
■プロを相手とする取引に限定?
税制改正大綱によると、具体的には、商品先物取引業者や金融商品取引業者以外の者と行う店頭デリバティブ取引について、特例的な課税がなされる先物取引の範囲から除かれるとされています。
このような改正がなされる理由が明確ではありませんので、あくまでも想定ですが、商品先物取引業者や金融商品取引業者と言えば、先物取引のプロを意味しますので、プロ以外の者を相手方として行う先物取引については、このような特例的な課税の対象にしない、ということなのでしょうか。
なお、この改正は平成28年10月1日以後に開始する先物取引について適用されるとされていますので、これから始める先物取引について、注意する必要があります。
■特例が適用されないとなると
仮に、この改正の対象となる先物取引を行えば、今後はこのような課税の特例が適用されません。この場合、先物取引の利益は累進課税の対象になりますので、大きな利益を計上したり、先物取引以外の収入(給与など)が大きかったりすれば、地方税を合わせて最大で55%もの税率で税金が課税される可能性があります。
それに加えて、この改正の対象となる先物取引の損失は、将来に繰り越すことができないこともできませんし、給与などの他の所得と相殺することもできません。
現状に比して、非常に不利な状況になってしまいますので、今後先物取引を行う場合には、必ず相手方を確認しなければならないことになります。判断を間違えてしまうと、大きな問題が生じます。
ただし、先物取引の範囲など、金融商品については複雑な部分が大きいですから、税理士などの専門家に相談の上、慎重に対応してください。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「税金対策」以外にもメリットあり…〈年収800万円超〉なら“ひとり社長”がおすすめなワケ【税理士・公認会計士の助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月3日 9時15分
-
損をしたら税金が安くなる? 特定口座とNISA口座の違い
MONEYPLUS / 2024年5月1日 11時30分
-
110万円の贈与よりも、あえて税金を払うほうが節税に⁉「贈与税の非課税枠の活用法」を税理士が解説
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月1日 9時15分
-
【三菱地所リアルエステートサービス】『令和6年度 税制改正のポイント』発行 ~令和6年度の最新税制改正内容を税理士法人平川会計パートナーズ 岡本氏が解りやすく解説!!~【無料ダウンロード実施中!】
PR TIMES / 2024年4月26日 21時40分
-
年110万円以内は非課税のはずだが…愛する孫に毎年100万円の贈与を続けた82歳女性、税務調査で〈多額の追徴課税〉に「何かの間違いでは」【税理士が警告】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月7日 11時15分
ランキング
-
1結局、店員が常駐……日本の「もったいないセルフレジ」【小売りヒット記事3選】
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月5日 9時0分
-
2相鉄線「屈指の閑散駅」ついに一新へ! 大幅イメチェン&新改札も 完成時期は?
乗りものニュース / 2024年5月4日 8時42分
-
3日本の名目GDP、2025年にインドに抜かれ世界5位へ…円安でドル換算が目減り
読売新聞 / 2024年5月5日 18時59分
-
4コスパの高さが異常…スズキの新型軽「スペーシア」が、「これで153万円は安すぎる」と絶賛されている理由
プレジデントオンライン / 2024年5月5日 11時15分
-
5【お得で安心】メーカー“公式中古品”の魅力 家電や服、ピアノも『every.気になる!』
日テレNEWS NNN / 2024年5月4日 9時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください