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使途秘匿金として支出する際の注意事項とその対策を元国税調査官が解説

相談LINE / 2017年12月14日 19時0分

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法人税には、使途秘匿金課税というとんでもない課税があります。使途秘匿金とは、相当な理由なく、支払先を国税に明かさない費用をいいます。このような使途秘匿金の支出があれば、赤字か黒字か関係なく、その支出額の40%の法人税がかかります。
このような費用を認めるとなると、脱税の温床になるだけでなく、税以外の犯罪などにもつながる可能性がありますので、非常に厳格な規定が設けられているのです。

■使途秘匿金課税が最近増えている

国税にいた経験から申しますと、使途秘匿金を税務調査で発見したとしても、実際に40%上乗せで課税処分をすることはほとんどありません。ここまで多額の課税をすれば、納税者に大きな負担になりますから、慎重な対応を国税はしているからです。

実際のところ、使途秘匿金課税を税務署が行う場合には、あらかじめ、上級機関である国税局にお伺いを立てる必要があるとされています。こうなると、税務署の調査官としては非常に面倒ですので、慎重な対応をすることがほとんどです。

しかしながら、最近のニュースを見ますと、使途秘匿金課税がなされた会社が数社あると報道されています。どうしても支出先を明かせない、という納税者の意向はもちろん、国税としても厳しい対応をするようになってきているのかとも考えています。

■40%払っても…

使途秘匿金課税について押さえておかなければならないことは、40%上乗せで税金を払ったとしても、税務署が支払先を追いかけることができる、という点です。税務署が支払先を調査しないことへのお詫びとして、40%上乗せで法人税を払う、と理解されている方が多いです。しかし、取引先などについて調査することは調査官に認められていますので、使途秘匿金課税がなされたかどうかに関係なく、国税は使途秘匿金について税務調査を行うことができるのです。

となれば、上乗せで支払うだけ払い損になる可能性もある訳で、慎重に対応する必要があります。

■最もいいのは

使途秘匿金課税の対策として、最もいいのは、個人のポケットマネーから支払うことでしょう。すなわち、役員などに対し、お給料に上乗せで支払いをし、その後個人が払うことにするということです。

この場合、原則としてお給料として源泉所得税が課され、役員に対する給与は法人税の経費として認められないことになりますが、個人が行うことですから、法人税の税務調査と直接関係はないことになります。

■専門家プロフィール

元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士向けのコンサルティングを中心に118ページにも及ぶ税務調査対策術を無料で公開するとともに、法律論や交渉術に関する無料メルマガを配信中。

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