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高尾山にサンダルで登る危険な観光客も…。インバウンドで賑わう“観光地の住民”の悲痛な訴え

日刊SPA! / 2024年2月28日 8時52分

 女のコは幸いケガもなく、自力で歩けたそうだ。聞けば景信山まで行って下山して、バスで高尾駅まで行こうとしていたと。Kさんを始め手助けした登山者から「そんな軽装備では景信山までは行くのも危険だし、景信山からバス停まで下山するルートはもっと危険だから、高尾山に戻って下山したほうがいい」とたしなめ、高尾山に引き返すよう説得したのだとか。

◆観光客は嬉しいが将来の不安も

 こうした状況について、高尾山に住む住民は「観光客が増えることは嬉しいが……」と複雑な胸の内を語ってくれた。

「観光客が増えたことで駅もキレイになったし、高尾山口駅には大型銭湯もできた。私が住む高尾駅も登山口までいくバスが出ているので週末はすごい人で賑やかです。人が来てくれることで、お店も増えたし、私はいいことだと思います。

ただ、これがずっと続くのか? という不安も大きいですね。見捨てられて寂れた温泉街みたいになったら、それはちょっとイヤだなと。高尾山口で飲食店やってる私の知り合いも、ずっと続くのか不安だと言います。頂上がパンク状態という話も聞きますので、もう少しケーブルカーなどの交通網や売店のあり方を整備しないと『人が多くて行きたくない』って言われて見捨てられそうですよね」

◆まるで戦後の列車のような京都の市バス

 また、日本屈指の観光地といえる京都でも、オーバーツーリズムが問題となっている。阪急線西院駅近くに住む会社員のAさん(男性・38歳)は「もう、慣れました」と苦笑いしながら京都の現状を語ってくれた。

「バスに乗れないんですよ、あまりにも混んでて。しかも朝のラッシュ時だけじゃなく、ヘタすると一日中、バス停に人だかりができてるんです。バス停には白線などで列を整理するようなものもないので、日本人も外国人もどうやって並んでいいかわからず、バスが来るたびに戦後の列車のように我先にと入り口に群がります。でも、そのバスもやって来る頃にはすでに満車状態なので、2、3人が乗車しておしまい……だったりするんです」

 バスに乗れなかった観光客はあちこちに溢れ、歩道がなかなか通れなくなる日も珍しくなく、住んでいる住民にとっては頭の痛い問題になっているという。

◆観光客を受け入れる体制を整えてほしい

「せめてバス停に並ぶ列を示す白線くらい描いてほしいですね。私は毎朝、娘を自転車で保育園に送っているのですが、スマホの地図を見ながら大きな荷物を持った観光客がフラフラ歩いていたり、急に立ち止まったりして当たりそうになるんです」

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