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海外から注目されている「日本の兵器」。見本市で見た、意外なメーカー14社とその評判

日刊SPA! / 2024年3月5日 15時50分

 ブースから出てきたドイツ空軍の中佐に質問すると、「日本が初めて出展したというので入ってみた。オリジナリティがあっていいね」と微笑むのだった。

◆日本の伝統工芸に源流がある展示品も!?

 現地入りしていた装備庁の国際装備企画室長・府川秀樹氏は言う。府川氏は経済産業省から防衛装備庁に出向中だ。

「今回のコンセプトは2つで、一つは航空機と関連部品、もう一つは先進的技術。日本企業14社が出展しており、大企業から中小、スタートアップまで揃っています」

 全てを紹介することはできないが、展示品の中で、筆者が最も注目したのはミツフジの電磁波シールドと熱中症予防ウェアラブル端末だ。

 この、何の関係もないと思われる製品の源流は、日本の伝統工芸にある。ミツフジの関係者は商品開発に至った経緯についてこう語った。

「弊社はもともと西陣織の工場でした。銀糸が持つ高い導電性を生かして開発・発売した着衣型ウェアラブル端末から着想を得て、脈拍情報から深部体温上昇の変化を捉えるアルゴリズムを産業医科大学と開発しました。

 さらに同じ銀糸で電磁波シールドを製造することもできるので、今回出展しました」

◆“空飛ぶICU”と呼ばれる医療装備って?

 次に紹介したいのはエイリイ・エンジニアリングが開発した「機動衛生ユニット2型」。

 “空飛ぶICU”と呼ばれる画期的な医療装備だ。しかし、災害など実際の場面での使用実績はまだない。販売を担当するジュピターコーポレーションの関係者は言う。

「今回は2度目の海外出展ですが、日本と同じように使いたい国もあれば、医療機器は自国のものを搭載したい国もあるなど、少しずつニーズがわかってきました。

 救急車やドクターヘリが対応できない高度な手術まで可能な本ユニットは、医療資源が乏しい国にこそ必要です」

 最後に、3Dプリンターで部品を製造するクリモトの関係者の声を紹介したい。

「多くの方が立ち寄って、サンプルを手に取り質問してくれます。日本で3Dプリンターの需要はなかなか広がらないですが、海外では使用頻度が高いように感じます。

 そうした反響から、3Dプリンターでの部品製造は、海外向けから始めるべきだと、今回実感しました」

 出展企業の取材を行っていると、スウェーデン海軍の提督一行がブースを訪れ、スカパーJSATが展示する衛星通信サービスのパネルを熱心に覗き込み、説明に耳を傾けていた。

 そのほかトルコやカナダ、フィリピンなどの軍人がブースの至るところで模型を眺めたり、見本品を手に取ったりしている。もちろん、軍人以外の民間人も大勢集まっているが、私服のため国籍はわからない。

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