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「2024年3月に開園したテーマパーク」“ショッピングモールの居抜き”なのに違和感が全くない理由

日刊SPA! / 2024年3月21日 15時54分

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商業施設だったことを最大限活かす設定になっている(撮影・中野キューさん)

―[テーマパークのB面]―

3月1日にオープンした「イマーシブ・フォート東京」。かつてお台場に存在した「ヴィーナスフォート」の跡地を活用した話題のテーマパークだ。プロデュースしているのは、これまでUSJや西武園ゆうえんちのリニューアルに携わってきた森岡毅が代表を務める株式会社・刀。否が応にも期待は高まるものだ。
本邦ではじめてとなる「イマーシブシアター」というアトラクションを主体としているようだが、具体的には何が特色で、どういった楽しみ方があるのか。テーマパークラボ代表の中野キューさんに見どころを紹介してもらったのが前回の記事。後編となる今回は、「戦略面」について重点的に聞いてみることにした。

◆「シャッター街であること」に違和感がない設定

イマーシブ・フォート東京が話題になった理由の一つ、それは「居抜き」で作られたことだ。もともとヴィーナスフォートというショッピングモールで、ヨーロッパの街並みが忠実に再現されていた場所だった。

「園内の街並みはヴィーナスフォートの内観を活かしていて、雰囲気づくりのきっかけにはなっています。ちなみにアトラクションになっていない部分は、商業施設だったということもあってシャッターが閉まっており、アトラクションの壁になっていたりもします。入り口から20mぐらいシャッター街が続くのですが、ここにも一つ仕掛けがあります。街自体の治安があまり良くないというバックグラウンドストーリーがあるんです。

例えば『スパイ・アクション!』という、パーク内の通路を用いたアトラクションでは、マフィアが銃を撃ち、街中で住民を人質に取るというようなストーリーが展開されています。だから、『治安悪化により臨時休業にご理解ください』という案内がマップに書かれているんですよね。『夜間は営業を自粛しているのでシャッターが閉まっている』、と理屈が付く」(中野キューさん、以下同じ)

◆「逆向きのジェットコースター」にも通じる理念

「居抜き」によって、必然的に前の建物から残る部分も、設定をうまく作り込むことで、テーマパークの要素とする。そんな手法がここには見られる。このように、もともとある施設を「再利用」して、うまく新しい体験を作り出すことは、森岡毅がUSJのリニューアルから心掛けてきたことだ。例えば、森岡はUSJのジェットコースターを逆向きに走らせることで、その施設を新しいものにした。

「森岡さんがこれまで取り組んできたことの集大成ともいえます。テーマパークで体験できる物語体験の最上位のものを目指して、イマーシブ・フォート東京を作ったんだと思います」

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