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小林製薬“紅麹ショック”で株価急落も「新NISA購入ランキング4位」の謎。投資のプロはこう見る

日刊SPA! / 2024年4月5日 8時50分

 ご存知のように紅麹問題でストップ安。元々2020年秋から冬にかけて1万2000円を上回る株価から、長期的に下げトレンドの流れにあった。6000円を少し上回るあたりで売買されていたところで、紅麹問題が発表され翌営業日にはストップ安。翌々日には4700円の最安値までつけた。

 ところがその後、この記事を書いている4月4日までは連日底値を切り上げながらの上昇トレンドにある。特に4月に入り日経平均やTOPIXが大きく下げる局面でもジワリと上がっていく。

◆成長性はなくとも財務は鉄壁の会社

 小林製薬は売り上げの25%を海外で稼ぐ。特にアメリカと中国だ。

 主力製品は使い捨てカイロだという。そのほかの主力製品もトイレの芳香剤を始めとして生活密着型の商品が多く、製薬会社でありながら、薬そのものの売り上げは4分の1くらいに過ぎない。

 すでに日本全国に広く普及した人気の定番商品が多いからか、安定性の高い王道商品が事業のメインにある。そのため国内では成長性が期待できるわけではないが、確実に利益を上げてくれる。余剰資金に恵まれ、自己資本比率は高く、有利子負債は少ない財務鉄壁な会社でもある。

 もちろん、今回の紅麹問題が経営に与える影響は未だ見通すことはできない。

 また、紅麹製品の健康被害も、それが、被害を訴えている人たちの健康状態に与えた影響がどれほどなのかという科学的な因果関係が確定したと言えるのだろうか。

 一部メディアの報道は過熱しているが、企業としては疑わしきものや消費者の信頼を失った商品は販売しない。それもあっての自己回収なのかもしれない。

◆新NISA購入ランキング4位の謎

 報道を受け、小林製薬のイメージはガタ落ちした。しかし、投資家は将来を見据える。今後の小林製薬については二つの見方があるようだ。

 まずは、空売りがものすごく増えたことに象徴されるように株価は下がると考える向き。この空売り残高は日々変わるものではあるが、私がチェックした日にはそれまでの5倍から10倍も残高が報告されている。

 小林製薬の大口の株式保有者を調べると個人などが多く、最近の日本の会社に散見されるような、物言う株主の名前は見られない。

 また、政策保有で持ち合い関係にある会社の名前もなかった。

 つまり、これだけ空売りが積み上がっている安い株価の時に、大口投資家などが、この資金潤沢な会社を買ってみようと思う存在が現れたら、そうでなくても、機関投資家が膨れ上がった空売りをひっくり返す動きに出たら、株価は一気に動く。そういう環境にあるということだ。

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