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日本の中小企業「社長が高齢者だらけ」問題。後継者不足で起こる“思わぬ余波”

日刊SPA! / 2024年8月6日 8時51分

 熟練調理人など高度な調理技術の属人化、常連様を多く持つベテラン接客員などは一例だが、そういったキーパーソンに支払う価値があるのである。本来なら、ベテランに依存し過ぎるのは運営上のリスクがある。だから、業務の効率化を目的に誰でも同等の調理や接客対応を可能にするため、マニュアル化してスキルの標準化や情報の共有化が必要ではあるものの、ノウハウの移植には時間を要するものだ。

 時間を買うということは即時にそういうノウハウを取得できるから時間対効果を考えても得策である。したがって、キーパーソン的な従業員が離職した後の空箱を買わないように配慮が必要だ。

◆カリスマ創業者が事業承継を軽視

 自ら起業し、飛躍的に事業を成長させたカリスマ性のある創業社長。せっかく築いた会社や仲のいい家族を持ちながら、後継問題や遺産相続を軽視し、日々の業務に埋没している。これだけ順調に事業を成長させれば、それだけ自社の株価は上がっているから、相続の際にちゃんと対策をしていなかったら相続税も大変なことになることを認識しないといけない。

 また、家族はみんな仲良しだから、自分の死後は大丈夫だと勝手に思い込み、何の対策を講じないから、争族に発展するのである。小さい頃は仲の良かった兄弟姉妹も、それぞれが家族を持てば自分の家を優先するのは当然である。

 ましてや経済的に苦しい子は自分が少しでも多く相続財産をもらおうと必死になるもの。見苦しい争いになって後悔したという話はよく聞く。残された人たちが不幸になることを理解しないとい取り返しのつかないことになる。それを回避する方法として、残された人が納得する内容の遺言書の作成がある。

 法務省の調査によると、日本では遺言書を用意する人は6.8%とのことらしく、自分の死後に、残された人が困らぬように対策を講じる意識が低いようだ。遺留分制度もある中で、円滑な事業承継を優先するため、後継者以外の不満を極力排除した遺言書の作成が必要だ。

 仕事一筋で株式以外の財産が少ない中小企業はけっこうある。それだけ順調に事業を成長させれば、それだけ自社の株価は上がっているから、相続の際にちゃんと対策をしていなかったら、相続税も大変なことになることを認識しないといけない。

◆知っておきたい株価算定

 非上場企業の場合は株式市場による評価がないため、目的に応じて株価を算定する必要がある。その際、株価を引き下げる対策を講じなければ、承継時の税負担で会社の存続が危うくなるから要注意だ。

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