1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

日本の中小企業「社長が高齢者だらけ」問題。後継者不足で起こる“思わぬ余波”

日刊SPA! / 2024年8月6日 8時51分

◆一筋縄ではいかない親族内への承継

 事業承継は知恵や心や感情がある人間同士が思惑をぶつけ合い、絡み合うから調整が難しいもの。親族内に後継ぎがいれば安心だとは言えないこともある。経営に関与する気もなく兄弟の公平感だけ主張する弟。経営には興味ないのに兄への嫌がらせとして、自社株式を欲しがり、困らせるなどといった事例もある。

 また、長男が家業を継がないから弟を後継者にして段階的に承継していたのに、長男が急に継ぐと言い出し、社内が混乱したというケースなど、悪質な事例は枚挙にいとまがない。昔から比べるとかなり減った親族内承継だが、親としては我が子に継いでもらいたいものだろうが、泥沼化するケースも多く困ったものだ。

 さまざまなケースがあるが、先祖代々続いていても、将来性があまりない小規模店の場合は「子供には絶対に家業を継がせない」と言い切る社長夫人は多い。その理由は店に将来性がないからと、見極めているから、子供には苦労させたくないとのことで、子供には安定した生活をしてもらいたいという希望が多いようだ。店主自身も代々続いている家業だが、自分の代で終わらせるつもりのようだ。

「息子は大学を卒業して優良企業に勤め、仕事にやりがいもあり生活も安定している。自分は家に束縛され了承したから仕方ないが、子供には自由な選択をさせたい」という強い思いのご主人が強く言う。今後も、こういうケースが増えるのは仕方ないか。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください