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飲食店の倒産が過去最多…すき家、大戸屋の運営元が“逆境下でも業績好調”なワケ

日刊SPA! / 2024年8月18日 8時52分

 ビッグボーイは人手不足の中でDXをより積極的に推進している。店内に入って案内もロボット、オーダーもタッチパネル、料理提供は配膳ロボット、会計はセルフレジと一連のプロセスをほぼ無人化している。

◆外食業界5位のコロワイド

 コロワイドは今後の中長期的計画として、2027年3月期の売上315億円、EBITDA (利息、税金、償却前利益)30億円、ROE(自己資本利益率)15%を目標値にしている。社名の「COLOWIDE」は、人が生きていく上で大切な要素である勇気(Courage)、愛(Love)、知恵(Wisdom)、決断(Decision)をひとつにまとめたものである。

 1963年設立で今年61年目と歴史ある外食企業だが、事業をM&Aで飛躍的に拡大し注目されてきたのは2012年に買収したレインズ(牛角やしゃぶしゃぶ温野菜などを運営)の頃ではなかろうか。その後も、2014年カッパ・クリエイト(かっぱ寿司)、2020年大戸屋などの買収で事業規模の拡大だけではなく知名度を高めてきた。

 主に7つの事業分野ごとに分社化し権限委譲と利益責任を明確にしており、グループ62社を束ねている。店舗数は2583店舗で、直営1403店舗、FC1180店舗を有している。売上は外食業界5位で2413億円である。

 焼肉の牛角、しゃぶしゃぶの温野菜、回転寿司のかっぱ寿司、定食の大戸屋、ステーキの宮、居酒屋の甘太郎などがコロワイドの代表的なブランドで認知度も高い。特に最近ではお家騒動で混乱していた大戸屋のホワイトナイト役として認知度を向上させたようだ。

◆コロワイド傘下で復活した大戸屋

 大戸屋はコロワイドの傘下に入る前は店内調理にこだわり、手作り感で差別化を図り優位性を訴求していた。だが、非効率的な点が目立ち、価格が割高になって顧客離反を招いて業績不振に陥った。また、お家騒動で社内外が混乱しその状況を打開するため、2020年コロワイドより大戸屋へのTOBが成立。

 業績不振から債務超過にも陥っていたが、2021年2月にコロワイドを引受先とする第三者割当増資を行い債務超過は解消した。今は業務プロセスの刷新を図っており、非効率だった業務の一部である素材から加工処理工程をセントラルキッチンに集約。店舗の負担を軽減させ、課題だった提供時間の迅速化も実現した。

 2023年3月期の売上238億円、営業利益2.7億円、営業利益率は1.1%だったが、コロワイド傘下で推し進めた業務改善とコロナ収束後の客足が戻ってきたことで業績は確実に上がってきており、過去最高売上、過去最高営業利益となったようだ。2024年12月期売上は279億円(前年比17%増)、営業利益は16億円で、約6倍の伸びだ。

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