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飲食店の倒産が過去最多…すき家、大戸屋の運営元が“逆境下でも業績好調”なワケ

日刊SPA! / 2024年8月18日 8時52分

 チェーン理論に基づいたコロワイド主導による業務改善と経営改革および資本注入が功を奏しているようだ。店舗数は、総店舗数419店舗数(2024年3月時点)である。内訳は、国内直営149店舗、国内FC159店舗、海外直営9店舗、海外FC102店舗となっている。         

◆傘下の牛角、かっぱ寿司も業績好調

 国内店舗数1位の牛角を運営するのは、2015年からコロワイドの100%子会社になり、傘下に入ったレインズ・インターナショナルである。国内最大数の店舗数だけでなく、北米・アジアを中心に全世界825店舗を展開する世界最大規模の焼肉チェーンとなった。

 店舗の運営は、フランチャイズで展開されており、レインズは食材供給など卸機能や店舗の運営指導を担っている。しゃぶしゃぶ温野菜も展開しており、現在レインズは売上997億円、コロワイドグループの中でも売上構成比47.6%、店舗数(1195店舗)構成比45.0%とグループのコアとなる事業会社だ(2024年3月時点)。

 1994年は回転寿司業界のリーディングカンパニーだったかっぱ寿司。頻繁に流れていたCMソングを懐かしむオールドファンも多い。今はコロワイドの傘下で、グループ企業との連携を強化しながらリブランディングに力を注いでいる。2024年3月期売上722億円、営業利益17億円、営業利益率2.4%となっており、巻き返しを図っている。

 今年に入り第一四半期は、売上105.5%、客数103.5%、客単価102.0%とわずかながらでも伸ばしており、特に直近の6月は売上17.6%、客数14.5%と著しい伸びで、今後に期待できそうだ。

◆単一か、他業態か?今後の向かう先は

 単一業態に経営資源を集中させで経営効率を高めるか、あらゆるニーズに対応した多業態で収益機会を増大させるかの選択は難しいところだ。

 特に最近のゼンショーとコロワイドは積極果敢にM&Aによる買収を強化しており、お客さんの囲い込みをしながら、事業規模の拡大によるスケールメリットも発揮し、消費者の個性化・多様化・高度化したニーズに合致した業態を自社で展開し、収益機会を増大させている。

 自社で不足する業態は、自社でイチから開発するのではなく、時間を買う目的でM&Aをフルに活用している。そして、外部企業を傘下に収め、ブランド・ポートフォリオで経営資源の配分を適切に管理しているようだ。

 コロナ収束したにもかかわらず客足が戻らず、コロナ禍の追加の借入が負担となり、倒産や廃業が相次ぐなど、優勝劣敗が明白になっている外食業界。よりM&Aが活発になりそうな気配である。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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