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元人気セクシー女優が選んだセカンドキャリア「性感染症で悩む人たちに正しい情報を届けたい」

日刊SPA! / 2024年9月30日 15時54分

三並医院長:そうなんです。国の資金も命にかかわる病気の研究に多く使われます。性感染症に関しては、日本の場合、保険診療の範囲内でできる検査が限られています。具体的には、症状がある場合に限られます。さらに他の性感染症に同時にかかっている可能性があっても、合わせて調べることができないものが多いんです。

吉岡:そういう背景があるので性感染症に関する研究や治療が進みにくいんです。新しい性感染症が発見されても、命に関わる病気でない限り、注目を集めないことが多く、そのため、新しい性感染症が増えても、それが注目されずに見逃されることが問題だと思っています。例えば、梅毒やHIVのような有名な性感染症は広く知られていますが、「尖圭コンジローマって知ってる?」と言っても、多くの人は知らないでしょう。

――新しい性感染症が発見されるのは、偶然に近いのですか?

三並医院長:いろいろなケースがあります。「多くの患者が似たような症状を持っているが、原因が分からない」という場合や、少数でも深刻な症状がある患者が出て、それをきっかけに研究が進むことがあります。ただ、性感染症という理由だけで軽く見られてしまうことが多いのも事実です。

吉岡:そうした背景のせいで、性感染症に苦しんでいる人たちが社会から見過ごされてしまうことも問題だと感じています。

――例えば、アダルト業界は映画やテレビと同じ映像系にもかかわらず軽視されがちですが、性感染症内科も一般の医療と比べて軽視されているのでしょうか?

三並医院長:確かに、医師の中でも救急医療はかっこよく見られ、性感染症内科や在宅医療は地味だと見られることがあります。

――その意味では、アダルト業界と性感染症内科のイメージには共通点がありますね。とはいえ、性的な健康管理は日常生活において重要です。

吉岡:はい、世間から偏見のイメージは確かに感じています。だからこそ、私たちは正しい情報を発信していく必要があると思いますが、私のような前職がある人間が発信しすぎると、「そんなに遊んでいないから大丈夫」と言われてしまうこともあるんです。そこが一番の課題だと思います。性感染症は誰にでも関係のある話なのに、アダルト業界や遊んでいる人たちだけに関係があると思われてしまうのです。

――確かに、「性感染症=アダルト業界、風俗関係者の病気」というイメージが根強いですね。

吉岡:でも実際には、性行為をする人全員に関係する話なんです。それを強く主張しすぎると逆効果になることもあるので、伝えるのが難しい問題です。

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