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令和の虎で元ホスト・桑田龍征は借金80万円から、いかにして年商30億円を築いたのか?

日刊SPA! / 2024年10月30日 8時46分

 歌舞伎町は怖くて行ったことすらなかったのですが、「やるしかない!」と腹をくくって。それが良かったのか、必死で働いて2か月で80万円の借金を完済できました。

水野:未経験にもかかわらず、それはすごすぎです。なぜ短期間で稼ぐことができたのですか?

桑田:「周りのホストと違うことをしたから」だと思います。カッコつけているホストが多い中、自分はカッコつけないホストになろうと「店の誰よりもデカい声で話す」と決め、自ら三枚目路線になりました。

 また、お金を落としてくれなさそうな若いお客さまや、少々クセのあるお客さまの席にも「僕が行きます!」と積極的につきました。

 するとある時、地方から来た若いお客さまが「あなた、面白いね。指名したい」と、その日に60万円使ってくださったんです。「他と違うことをすることで稼げるんだ」と確信した瞬間でしたね。

水野:「自分を活かすビジネスセンスがあった」ということですよね。その後、月間売上2,000万円を達成。当時の歌舞伎町ホストの月間最高売上額だったそうですね。

桑田:今でこそ月間2,000万円売るホストは大勢いますが、インフレ前でブランディングに注力するホストもいなかった時代。その中で、これだけ売ったのは自分が初かもしれませんね。大学生にして、親父の年収を超えていました……。

◆◆起業したジャンルが「ホスト」だっただけ

水野:そんな順風満帆なホスト生活を2年半で引退、経営者の道に進まれます。どんな背景があったのですか?

桑田:そもそもホストは借金返済が目的で、長く続ける気はありませんでした。しかも当時は柄の悪いホストも多く、売上で妬まれて暴力を振るわれたり、店の中で物や金がなくなったりするのは日常茶飯事でした。

 また、良いキャストは他店にどんどん引き抜かれ、モノもカネもヒトも奪い合う歌舞伎町に辟易していた部分もあったんです。だけど、この世界の魅力も十二分にわかっていました。だからこそ、自分を育ててくれた歌舞伎町で成功したい。

 そうして考えついた先が、ホストクラブの経営でした。培ってきた経験とノウハウを注入すれば必ずうまくいく、という確信もありましたしね。原資が貯まったタイミングで、経営者としての一歩を踏み出しました。

水野:これまでの「ベテランホストが経営者になる」という慣例を覆し、大学生で、なおかつ経営者マインドを持ってホスト業界に打って出たところに、桑田さんらしさを感じます。

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