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あの頃、俺たちはハングリーだった 『劇映画 孤独のグルメ』公開記念・松重豊×甲本ヒロト特別対談

日刊SPA! / 2025年1月10日 15時48分

甲本: 飢餓感っていろいろあるやんか。ロックンロールでいうところのハングリーとか。で、そのハングリーは貧乏とは違う。貧乏な人はエレキギター買えんからな。エレキギターを持ってハングリーっていうのは、満たされた飢餓感なんよ。全部あるけど「足りんのよ」っていうのが本当のハングリーだし、普段感じる「腹減った」もハングリー。

松重: そういう飢餓感があるからこそ、ああでもないこうでもないって何とか工夫して、物を作り出して。やっぱり飢餓感って大事よな。それを改めてヒロトと共有できたことが、かけがえのない体験というか。

甲本: いやいや、まずあのドラマがええよ。そして、映画も最高。それだけです。

◆俺たち、豆タリアン!?

――せっかくこういう映画なので、おふたりの人生最高グルメもお伺いしたいです。

甲本: 僕、ある時期、自分が好きなものがわかった。豆だった。30歳ぐらいの時。

松重: わかる。俺も豆好きやもん。

甲本: わかるんか。豆はうめー。あの味が好き。

松重: 豆はいつまででも喰えるよね。

甲本: 喰える。そやから、ある時から枝豆も素茹でで、塩かけずにそのままいく。

松重: 俺はちょっと塩分は欲しい。だけど、シューマイとかグリンピースが乗ってるとどかす人がいるのは許せない。

甲本: 同じ、同じ。どかすんだったら、俺のにもう1個乗せろ。豆は丹波の黒豆も旨いし、信州のくらかけ豆も旨い。

松重: あんた詳しいな。

甲本: 豆タリアンやからね。ツアー行って豆買う時もある。あんたもそうだろ? ロケとかでいろんな所に行って、つい道の駅とか見るじゃろ?

松重: 見透かされてる。今回、この映画の宣伝で鹿児島行ったり、岩手行ったりしたけど、道の駅でいろんなものを買うから、物が溜まりまくって大渋滞してる。

◆今飲みたいのはサンラータン

――今回の映画は、スープの味を探し求めるお話です。そこで、おふたりがお好きなスープも教えていただいていいですか?

甲本: いろんなインタビューを受けてきたけど、お好きなスープを聞かれたのは初めてだねぇ。今飲みたいのは、サンラータン。

松重: またマニアックな。

甲本: 美味しかろう?

松重: 美味しいけど、『珉亭』にないから、あんなん昔は喰ったことなかった。俺はとにかく豚汁が好き。

甲本: それはずるいわ。それはみんな好きよ。

松重: 映画の現場って冷たい弁当で我慢しなきゃいけないことが多くて、そんな時にあったかい豚汁が出てきて、「ちょっと暖取ってください」って。そんなの絶対に美味しいに決まってる。

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