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落合博満氏がひも解く 「大人の朗希」メジャー挑戦するなら物足りない 変化球主体の新スタイルに苦言

スポニチアネックス / 2024年5月3日 6時1分

4月30日のオリックス戦で、力投する佐々木(撮影・北條 貴史)

 【オレ流慧眼】元中日監督の落合博満氏(70)が注目の選手、カードなどを独自の目線でひも解く「オレ流慧眼」の第2回は、「令和の怪物」ことロッテ・佐々木朗希投手(22)をオレ流で掘り下げた。7回4安打10奪三振無失点で3勝目を挙げた4月30日のオリックス戦の投球に着目。球速を抑えてフォーク、スライダー主体にした内容を「大人になった佐々木」と評した一方で将来的な不安を指摘し、独自の攻略法にも言及した。 (取材・構成 秋村 誠人)

 圧巻の投球を見たかった。それがオリックス戦の佐々木を見た率直な感想だ。昨年までのイメージを持って途中からスピードが上がってくるかと思っていたが、7回までスピードが上がってくることはなかった。直球にそれほど力がなく、これが今年の投球スタイルなのかなと感じた。

 全てはフォーク、スライダー主体になっていて、直球は内角がシュート回転して抜けていき、外角はたまに指にかかったいい球もあったが、ひっかけ気味になっていた。2年前に完全試合も達成しているオリックスへの絶対的な自信から、そこそこの投球で抑えられるという思いもあったかもしれない。それらを加味して、フォークとスライダーで組み立てたように見えた。

 投球フォームにしても、一時より腰高の投げ方になっている感じがある。そのため右足の蹴りが以前ほどないように見えた。規定投球回数のクリアや1年間ローテーションを守る意識から「このくらいで大丈夫」と感じているのかは本人に聞かないと分からないが、今は楽して投げているというイメージがあった。

 ただ、それではメジャーを目指すというのなら物足りない部分が出てくる。メジャーに行けば、目いっぱい投げる体力も、それを持続する力も必要になってくる。「日本で投げる分にはこのくらいでいい」という感じだったら、それが身についてしまって、そこから抜け出せなくなる危険がある。過去にそういう例はあるし、速球派がスライダーを多投すると直球の走りが悪くなるという球界の言い伝えもある。160キロを投げればいいというわけではないが、直球がよければフォークがもっと生きるはずだ。

 勝つためには、このスタイルでいいかもしれない。このままでもそれなりに勝ち星や投球回数は増えてくるだろう。これが今ある最高の方法論ということなら、ある意味「大人になった佐々木」とも見られる。ただ、果たして佐々木の将来を考えた時、今このスタイルを身につけてしまっていいものなのかどうか。今後の投球でスピードが上がってくるのかに着目したい。

《昨季より平均球速4.2キロも落ちる》

 ○…佐々木は昨季、日本人最速タイとなる165キロを計測。15試合の登板で常時160キロを超え、平均球速も12球団トップの159.1キロをマークした。今季の160キロ超えは、4月23日のソフトバンク戦だけ。平均球速も154.9キロと4.2キロも落ち、4位となっている。奪三振率も昨季の13.35から10.09に減少。球種の割合ではスライダーが昨季の14.0%から22.7%に増し、フォークは35.3%から28.4%に減っている。

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