井上尚弥への代役挑戦者を準備していた大橋会長、トラブルに素早く対応「前座選手の努力も無駄には…」

急きょ会見した大橋会長

　ボクシングの大橋ジムは11日、横浜市内のジムで会見を開き、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（31＝大橋）が24日に東京・有明アリーナで予定している防衛戦について、挑戦者をWBO同級11位の金藝俊＝キム・イェジョン＝（32＝韓国）に変更して行うと発表した。

　挑戦者だったIBF、WBO同級1位のサム・グッドマン（26＝オーストラリア）が11日の練習で左目上を再び負傷。大橋ジムの大橋秀行会長は、この日早朝にグッドマン陣営から「スパーリングで目を切り、傷が（前回の）3倍大きいので試合ができない。全治まで半年かかる」と挑戦断念の連絡を受けたと明かし、「リザーブを用意していたので30、40分で話をまとめて各団体からの承認を受けた」と明かした。当初は昨年12月24日に予定されていた興行がグッドマンの左目上カットにより1カ月延期となったこともあり、1カ月ほど前から代役を探していたという。

　大橋会長は「一応、想定内。こういうこともあるのかなと。リザーブを入れておいてよかった。リザーブのリザーブも探している」と胸をなで下ろした。今回は興行を延期しなかった理由については「前座選手の努力も無駄にはしたくなかったので興行は成立させたかった。ホッとしているし、キム選手に感謝している」と説明。金藝俊については「好戦的な韓国のファイター。韓国でも人気のある選手。韓国人との世界戦は10年以上やっていないと思う。韓国からも注目されると思う」と話した。

　さすがの井上も今回はビックリしていたという。過去には韓国でスパーリングをしたぐらいで、韓国人選手とは初対戦となるが「キャリアがあるから戸惑いはないと思う。試合が1カ月延びて相手が変わることは、自分にとっても井上にとっても初めて

こんな経験はできない」と前向きに捉えた。振りまわされたグッドマンに関しては「もうやりたくない」と苦笑いする一方、「しっかり傷を治して、また機会があればやりたい。指名挑戦者を維持していればやることになる」とも話した。

　▼金藝俊のコメント　井上選手がスーパーバンタム級に上げた時から、いつかやることになると常に想定していた。キャリア最大の大一番を（対日本人）8勝目で飾りたい。