「ディディ事件」と共通点 米エンタメ史上最大…エプスタイン氏による性的人身売買事件

「ディディ」「パフ・ダディ」として知られるショーン・コムズ（中＝ロイター）

米人気ラッパー「ディディ」または「パフ・ダディ」として知られる大物音楽プロデューサーのショーン・コムズ（５４）に対し、性的人身売買捜査の手が伸びている。そんな中、米エンタメ史上最大の性的人身売買事件だった〝エプスタイン事件〟と〝ディディ事件〟が比較されている。米ＦＯＸニュースが３月３１日、報じた。

複数の女性と１人の男性が性的暴行や虐待で、ディディを提訴している。そして、テロや組織犯罪を捜査する米国土安全保障省がディディを性的人身売買の疑いで捜査しており、２５日には大規模な家宅捜査を行った。ただし、ディディはまだ拘束されておらず、自宅周辺をうろつく姿などがパパラッチに撮られている。

ディディの交友関係にはジャスティン・ビーバー、アッシャー、ジェイ・Ｚ、ヘンリー王子など大物セレブの名前が浮上しており、〝第２のエプスタイン事件〟になるのではないかと注目を集めている。

２０１９年、未成年の少女たちに対する性的人身取引容疑でアメリカの大富豪ジェフリー・エプスタイン氏が逮捕された。１００人を超える未成年の少女を性的虐待し、人身売買システムを築き上げたとされる。公判前に自殺したが、裁判資料には、エプスタイン氏の交友関係として、レオナルド・ディカプリオ、アンドルー王子、故マイケル・ジャクソンさん、故スティーブン・ホーキング博士ら多くの著名人の名前が記されていた。

また、エプスタイン氏は米領ヴァージン諸島に島を持ち、大規模なパーティーを行っていた。ディディもぜいたくなライフスタイルで女性被害者を誘い出し、場合によってはヴァージン諸島やサン・バルテルミー島へのヨット上で被害者を暴行したとして告発されている。

ヒップホップのアイコンであり、バッドボーイ・レコードの創設者であるディディは１９９０年代初頭に音楽業界で名を上げ、その後、衣料品デザイン、酒類、その他の事業にも手を広げ、億万長者になった。