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森永卓郎氏が指摘するクレジットカード不正利用の急増

東スポWEB / 2024年4月18日 14時12分

森永卓郎氏

私自身、クレジットカードの機密保持には、相当気をつけていたのだが、3月に突然カード会社から電話がかかってきた。私が使っているゴールドカードが不正利用された可能性があるので、取引を確認したいというのだ。

知らされた取引履歴によると、コンビニ設置の端末で、1万円前後のチケットが10回ほど連続で購入されていた。もちろんそんな取引はしていない。カード会社も、この取引があやしいと思ったようで、決済を停止して、実際の被害は出ていないという。ただ、一度不正利用をされた以上、カード番号やパスワードなどをすべて変更しないといけないという。しかも、番号を変更した新しいカードが届くまで10日ほどかかるというのだ。

正直言って、私は困った。不正利用されたカードは、ネットショッピングで利用していたから、サイトに登録していたカード情報をすべて更新しなければならない。しかも、もっと困ったのは、医療費の支払いだ。私はいまガン治療のための自由診療で、月間100万円以上の医療費を支払っている。それを不正利用されたカードで支払っていたのだ。支払額が大きいので、普通のカードでは限度額に引っかかって全額支払えない。私は、もう一枚ゴールドカードを持っていたので、事なきを得たのだが、実は年会費がもったいないので、そのカードを解約しようと考えていた矢先だった。

もちろん、ATMで現金を下ろして病院に持参すればよいのだが、面倒だし、何より多額の現金を持ち歩くのは危ない。だから、クレジットカードを複数持っておくことは、いまや絶対に必要だ。

ところがいま、クレジットカードの不正利用が急拡大している。経済産業省の調査によると、昨年の被害額は、前年比2割増で、この10年で5倍に拡大している。昨年の不正利用に伴う被害総額は540億円となっていて、これは、昨今問題になっているSNS型投資詐欺の被害額の2倍だ。

不正利用された私のクレジットカードは、医療機関での支払いとネット通販でしか使っていないので、おそらく情報が抜き取られたのは、ネットのほうではないかと思う。ただ、どうやって情報が漏れたのか、その原因がまったく分からない。

経済産業省は、近くクレジットカード会社と共同で、不正監視の枠組みを立ち上げる予定だ。不正実態の把握と取引の安全性を高めることが目的とされるが、早く実効性のある対策を取らないと、急拡大しているネット通販などのEC市場に大きな逆風が吹いてしまうことになるだろう。

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