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ヒラ社員の実感は残業代減? プライベート充実? フラリーマン? 働き方改革4つの功罪

LIMO / 2019年7月15日 20時15分

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ヒラ社員の実感は残業代減? プライベート充実? フラリーマン? 働き方改革4つの功罪

政府主導の「働き方改革」が進み、実際の生活にも変化が出ていると感じる人も多いのではないでしょうか。残業量が減って早く帰宅できるようになり、プライベートが充実したというようなプラス面もありますよね。その一方で、「働き方改革」を嘆く人たちがいるのも事実です。そこで今回は、平社員が感じる「働き方改革」の功罪を、色々な業種の人に聞いてみました。

家計に大打撃! 残業代の減少が痛い

働き方改革で一番つらいのは、残業代が大幅に減ってしまうことではないでしょうか。今まで収入のうちの大きな割合を占めていた残業代がほとんどなくなってしまうと、家計に与えるインパクト大。あるIT企業で働くAさんは、月収の3分の1を占めていた残業代がほとんど入らなくなり、生活が苦しいと語ります。

「もともと残業が多かったけれど、それ自体が苦痛だったわけじゃない。でも、残業が制限されて仕事はキツくなり、頑張っても手取りが減るという妙な仕組みになってしまったように感じる」と話してくれました。

確かに、残業時間の削減で今までより効率よく仕事をすることを求められるようになりました。しかし、これまで以上に仕事に集中して取り組んだり、努力して効率化したりすればするほど残業代は減っていくという、頑張りが認められないという不満もわかります。

効率よく集中して取り組めばそれが定期昇給のときに評価されるのかもしれませんが、それが半年に1回というのでは反映が遅く、社員から不満が出るのは免れないのかもしれません。また、Aさんの職場では仕事が早いほど早く帰るよう急き立てられ、仕事が遅い人は上司も呆れ顔ながら残業を許しているのだと言います。

そんな中では「仕事が遅い人ほどお金がもらえる仕組み」になっているように見えてしまい、効率のよい働き手に不満が溜まるというのも理解できます。Aさんは「だらだら仕事をしていたり、仕事ができなくて残っていたりする人のほうがお金がもらえるというのでは、やる気がなくなってしまう。それなのに、上司からは残業禁止と言われて、時間内に終わらせるよう毎日しつこく言われて気が滅入る」と話していました。

平日でもプライベートを満喫できるのは◎

その一方で、働き方改革でプライベートが充実したという人もいます。貿易関連の企業で働くBさんは、「帰りが早くなったから終業後のイベントにも行きやすいし、仕事が遅くなるかもと思って予定を入れるのをセーブしたりすることがなくなった」と言います。

Bさんは音楽が好きで、プライベートではよくライブハウスに足を運ぶのだとか。平日のライブはこれまでなかなか行けなかったものの、働き方改革で会社全体の残業が減ったことで帰りやすくなり、自分も早く帰れるようになったとのこと。「プライベートが充実すると仕事にもハリが出る。早く帰るために集中して仕事するようになった」と働き方改革の恩恵を語ってくれました。

その一方で、先述したIT企業のAさんからは「プライベートの時間が増えても、使うお金がないという現象に陥っている」という声も。Bさんのようにプライベートの充実を楽しんでいる人がいる一方で、やはり残業代減の影響がプライベートにも出てきてしまう人がいるということもあるのでしょう。

下請けや取引先企業にしわ寄せがいくことも

残業時間が短くなったしわ寄せを、残業代以外のことに感じることもあるようです。ある証券会社のプロモーション部門で働くCさんは、「定時になると上司に急き立てられるようにして帰るので、毎回終わらない仕事で泣くハメになる」と苦々しく語ります。

仕事が終わらないまま帰ることで残務が積み上がっていき、ほかの人に迷惑をかけることもあるのだそう。さらに大変なのは、上司が定時を過ぎたら問答無用で帰宅させるため、本当に大事な仕事も時間が来てしまったら中断せざるを得ないことなのだそう。

「当然、優先順位の高いものから処理していきますが、それでもやっぱり残務が積み上がってくると優先順位が高いにもかかわらず着手できないものもたくさん出てくる。迷惑をかける相手が社内の関係者だけならまだマシですが、最近は社外の人にも迷惑をかけてしまうことがある」とCさんは落ち込みます。

確かに仕事が多く、時間が足りないせいで関係者にしわ寄せがいくということも起こりうる話ですよね。「上司は、お前の仕事の仕方が悪いのだと切り捨てるように言いますが、上司が知らないような細かい作業とかほかの人の仕事を押し付けられたりとかもするので、思うように進まないこともある。それなのにそんなふう言われてしまうと仕事に対するモチベーションが下がる」と嘆いていました。

家に帰りたくないフラリーマンの出現

テレビなどで話題になったこともありますが、働き方改革後に「フラリーマン」になってしまった人もいます。フラリーマンとは、仕事が終わってもまっすぐ帰宅せずに街中でふらふらと時間をつぶすサラリーマンのこと。人によって事情はさまざまですが、早く帰っても自宅に居場所がないことが理由だとも言われています。

フラリーマンになってしまったというシステムエンジニアのDさんは「これまでは仕事が遅くて、そのまま上司や同僚と一杯飲んで帰るというのが習慣だったので、ほとんど夕飯を家で取らなかった。しかし、早く帰ると夕飯を家で食べるようになって、共働きの妻に『自分ひとり分だったら適当でいいけど、あなたがいるとそうはいかないから大変』と言われてしまった」とぼやきます。

共働きで奥さんの仕事もそれほど早く帰れるわけではないので、奥さんの言い分もわかるとDさん。「手取りは減ったのに負担を増やして申し訳ないと思ってしまう」のだと話していました。

まとめ

「働き方改革」と一概に言いますが、その影響には様々なものがあるようですね。残業代減のように直接生活に影響を与えるものもあり、全員が全員「働き方改革」を支持できるわけではない状況がうかがえます。とは言っても、今はもう「働き方改革」が時代の流れ。不満に感じることもありますが、それをうまく乗り切っていくしかなさそうです。

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