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銀行で口座維持手数料が導入されるかも? マイナス金利の”ひどい”状況

LIMO / 2019年10月3日 20時20分

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銀行で口座維持手数料が導入されるかも? マイナス金利の”ひどい”状況

低金利が続いています。というより、金利は実質的にマイナス金利が続いています。マイナス金利とは預金者が利息をもらう代わりに、利息を払うことをいうのですが、すでに一部の法人預金では導入済みです。

日本国債を持ち続けると元本割れする!?

市場関係者以外はほとんど見ていませんが、日本の金利はとても“ひどい”状態になっています。たとえば、日本国債の利回りは各年限でこのような水準です(各データベースより筆者作成、2019年9月27日時点)。

日本国債 2年:マイナス 0.33%
日本国債 5年:マイナス 0.37%
日本国債 10年:マイナス 0.25%
日本国債 30年:プラス 0.31%

1か月から40年までの利回りは以下の図表1をご参照ください。

図表1:日本国債の期間別利回り(年利回り %)

(/mwimgs/4/d/-/img_4d3f23d2fce3a18f81b602473d3b7cbb72918.jpg)

拡大する(/mwimgs/4/d/-/img_4d3f23d2fce3a18f81b602473d3b7cbb72918.jpg)

出典:各種データベースより筆者作成。

これが意味するところは、読者が2年国債を今購入して満期まで持ち続けたとしても、利回りはマイナスなので元本割れするということです。単純計算では、1万円で2年債を買ったとすると、満期に帰ってくるのは9,934円にしかなりません(10,000 -(10,000×0.33%×2)= 9,934円)。

日本で最も信用力が高い国債を買っても、持ち続けると必ず元本割れするわけですから、何のために国債を買うのかワケがわかりません。日本の国債ですから、まず信用リスクには問題ありません。

格付けもA+(シングルAプラス:スタンダード&プアーズ)なのですが、マイナス金利で元本割れしますから、この格付けに意味があるかどうかも、ワケがわからなくなってきています。信用力では元本割れする可能性の低い日本国債が、持ち続けるとかならず元本割れするというパラドックスです。

口座維持手数料が導入されたら?

既述の通り、機関投資家(銀行・証券・運用会社・事業法人といった大口投資家)の預金は実質的にマイナスになっています。つまり、普通預金や当座預金(小切手や手形を発行できる預金)にいくら何千億円預けていても、実質的な運用手数料が引かれます。嫌なら他の銀行に行ってね、です(他に行ってもマイナス金利ですが…)。

なぜなら、銀行がその預金を日銀に預けて運用してもマイナス金利でしか運用できないからです。

ということは、今後状況によっては個人預金にもマイナス金利が導入されるか、もしくは口座維持手数料が導入されるかもしれません。日本の銀行が口座維持手数料を過去に導入したのは聞いたことがありませんが、かつて米銀のシティバンク(リテール部門)が口座維持手数料を導入していました。コストをカバーするためには必要な措置ではあったのでしょう。

実際、そのシティバンクを引き継いだSMBC信託銀行プレスティアでは口座維持手数料を導入しており、前月の月間平均総取引残高が20万円相当額(外貨)、または50万円(円預金)以下の場合は手数料が課されます※。ですので、日本の銀行が口座維持手数料を導入していないわけではありません。

※SMBC信託銀行プレスティア「手数料について(https://www.smbctb.co.jp/service/fees/)」

では、こうした手数料の支払いを避けるために預金者はどのように対応すればいいのでしょう。筆者が考える方法は以下の通りです。

(1) 口座維持手数料のない銀行に移管する
(2) 取引銀行をまとめ、口座維持手数料を課されない残高を保つ(一定額の定期預金を維持する)

もっとも、日本の全銀行が口座維持手数料を導入してしまうと防御策はないわけですが、その際は残高を常にゼロにしつつ当座貸越も設定せず、手数料を引き落とせないようにする等の過激な方法も”あり”でしょう。ある意味で、預金者が賢くなるチャンスではあります。

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