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年収は実力を表している?年収1000万円プレーヤーが転職できない理由とは

LIMO / 2019年10月31日 19時15分

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年収は実力を表している?年収1000万円プレーヤーが転職できない理由とは

Oさんは某転職エージェントで、アドバイザーをしています。あるとき、Oさんのもとに、転職希望のMさんが相談に訪れました。

Mさんの現在の年収は1000万円。誰もが目標とする、いわゆる1000万円プレーヤーです。「給与面に不満はないが、このところ会社のやり方に納得のできないところが多く、できれば心機一転、新しい会社で自分の力を活かしたい」というのが、転職を希望する理由でした。

「想像したより、たくさんのハイクラスの求人があるということを知って、本格的に転職活動をしようと決心して動き始めました。でも、何社かエントリーしたのですが、ほとんど書類選考で落ちてしまうんです。職種も業界も、かなり幅広く検討しているんですよ。まあ、今までの実績という点を考えますと、今と同等、もしくはそれ以上の給与額が支払われて当然ですから、その点だけは譲れません。でもそれ以外はかなり譲歩しています」というMさん。

Mさんの話を聞いた後、Oさんは静かに切り出しました。『その、一番譲れない条件が、転職活動がうまくいかない理由ではないでしょうか?』

年収1000万円の手取り額は?

転職先選びの条件として、Mさんが絶対に譲れないという「年収1000万円」ですが、実際のところ、どのぐらいの手取り額になるものなのでしょうか?

2019年9月に国税庁が発表した「民間給与実態調査(https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/minkan/index.htm)」によると、1年を通して勤務した給与所得者は5026万人であると示されています。そして、1000万円以上の年間給与所得を得ているのは248.9万人。つまり、日本の給与所得者のなかで年収1000万円以上である割合は約5%となります。

ただし、年収が上がれば税金や社会保険料もアップします。増額した分がそのまま手元にくる訳ではなく、税金や社会保険料などが引かれた分だけが手に入るのです。

年収1000万円の人の手取りは、だいたい700万円ほど。教育費やローン返済などにお金を費やしていると、生活が豊かになった実感がないというケースも多いようです。

ただし、手取り額は扶養家族や加入している保険の有無などによっても左右されます。あくまでも目安として捉えておきましょう。

年収1000万円の人はどんな業種?

では、年収1000万円を目指すことができる業種には、どのようなものがあるのでしょうか。

有価証券報告書を見てみると、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事などの大手総合商社は、1000万円以上の平均年間給与所得を誇っています。こういった強みが、就職先として人気のある理由でもあるのでしょう。

また、国税庁の調査の結果、平均給与が最も高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」と示されています。平均給与が769万円なので、年収1000万円以上に到達している人もたくさんいると考えられるでしょう。

そして、その次に平均給与が高いのは、平均給与626万円の「金融業、保険業」でした。
(LIMO内参考記事:「【最新版】年収別でみる給料が高い「上場企業」一覧(https://limo.media/articles/-/6736)」)

ただ、年収と実力はイコールではない

さて、ここで話を元に戻しましょう。Oさんの言葉に、Mさんは非常に驚きました。「だって今の年収は、私の実力によるものでしょう?それを希望条件として何が悪いのですか?」

Oさんは答えます。『いえいえ、希望年収を1000万円にしたことが悪いのではありません。問題なのは、Mさんご自身が、それを今の自分の値段だとおっしゃっている点です』

今の年収を見て、「自分の実力はこのぐらいなのか」と判断してはいませんか?たしかに、職場での評価や成果によって年収が変動することもあるでしょう。ただし、年収があなたの実力をそのまま表しているのではありません。

先ほどご紹介した通り、平均年収は業種によって大きく異なります。個人のスキルや能力というより、どういった業界で働いているかが年収を左右しているともいえるでしょう。

もしかすると、同じ人でも、業界が変われば年収が大きくアップするかもしれませんし、逆に低くなるかもしれないのです。「あの人は高年収だから優秀だ」と決めつけるのは早計といえるかもしれません。

まとめ

どんな業界でも、頑張れば年収1000万円になるというものではないようです。また、年収1000万円の手取りが700万円ほどと聞き、「そこまで贅沢はできなさそうだ」と感じた人も多いのではないでしょうか。実際に、扶養家族が多い家庭になると、なかなか余裕を感じられないというケースも少なくないようです。

Oさんとの面談との後、Mさんは「年収1000万円なら業種も業界もこだわらない」という年収のみを前面に押し出した転職先選びはやめ、今は、業種や業界含めて、自分自身の強みを活かせる仕事を探すところから始めているそうです。

【参考】
「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」国税庁

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