「ざんねんなコロナ対策」医療従事者がツッコミたくなるマスク・手袋の使い方
LIMO / 2020年9月6日 15時5分
「ざんねんなコロナ対策」医療従事者がツッコミたくなるマスク・手袋の使い方
早いもので、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行し始め半年以上経つのですね。ソーシャルディスタンス、マスク着用、手指消毒などの感染症対策が、私たちの日常生活にすっかり溶け込んだ感があります。
ビジネスシーンや通勤風景、そして日頃の買い物の際にも、ほぼすべての場所で感染症対策が必須となりました。
でも医療従事者から見ると「それ大丈夫?」って思うこと、結構あるんです。マスクや手袋…、正しく使用しないと、せっかくの感染症対策が裏目に出てしまうことも。
「マスク」を正しく使おう
一番目につくのが、やはりマスクの着け方です。「鼻が出ている人」が多いなぁ、という印象ですね。なかには、口にもマスクがかかっていない、いわゆる「顎マスク」の人も…。
COVID-19が流行り始めたのはまだ寒かった時期。まさかマスクをして真夏を過ごすことになろうとは、みんな考えていなかったかもしれませんね。この猛暑、マスクを着けたまま過ごすことが煩わしいのは当然でしょう。でも、人が集まる場所では「正しいマスクの着用」はとても大切です。
気になる①「鼻だけ出てる・・・」
「鼻ぐらい出していても構わないでしょ?」、なんて思われるかもしれませんが、コレ、くしゃみなどをした時に飛まつが広がってしまうんです。加えて、ヒトは一度に吸う空気の9割を鼻から取り込んでいます。そんなわけで、マスクから鼻が出ていると、感染リスクを高めることにつながってしまうのです。
気になる②「フィットしてない」
次に気になるのは、「フィットしてないマスク」。「アベノマスク」が小さすぎると話題になりましたが、サイズが合っていないと喋っているうちにズレてしまう。マスクが大きすぎるのも顔とマスクの間に隙間ができ効果が低くなってしまいます。そうなるとせっかくのマスクももったいない!という状態になってしまいます。
「でもメガネが曇っちゃって仕事が進まない!」とお悩みの人、多いですよね。かくいう私も普段メガネをかけています。しっかりとワイヤーを鼻にフィットさせて正しく着用するとメガネは曇りませんので、一度ご自身のマスクの着け方を確認してみてくださいね。
気になる③「マスクをずらして話す」
会議中などで発言する時、「わざわざマスクをつまんでズラしてしまう人」いませんか?
普段の生活で、くしゃみや咳以外で、「最もツバが飛ぶ」のが「話すとき」なんですよね。声をはっきり伝えようとしてマスクをずらすことは、感染症対策の観点から見るとNGといえます・・・。
番外編「マスクの裏表」ってどう見分けるの?
さらに細かい点をいうと、「マスクの裏表」です。
マスクに表と裏があるって知っていますか?ときどき裏返しで着けている人を見ると、気になってしまいます・・・。
基本的に不織布マスクは、プリーツが下向きになるのが表です(※)。これは、花粉やウイルス、ほこりなどがプリーツの隙間にたまらないようにするためといわれています。
※製品により異なる場合もあります。ご使用のマスクのパッケージなどで必ず確認してください。
その手袋、誰を守るためのもの?
コンビニやスーパーなどで、店員さんがゴム手袋を着用している光景を多く見かけるようになりましたね。
不特定多数の人が触った小銭や商品を直接触らないで済むことから、お客さんに安心感を与える効果が狙いだと考えられますが・・・。実はこれ、医療従事者から見るとあまり意味がないことなんです。
接客相手が変わるたびに手指消毒をして手袋も交換する、ということならば効果があるかもしれません。でも、勤務中ずっと同じものを着けっぱなしであれば、直接触ろうが手袋をつけて触ろうが関係ありません。
また、「手袋を着けているから大丈夫」という安心感が、手洗いや手指消毒をする頻度を下げてしまう可能性があります。これは、お客さんだけではなく、自分自身の健康を守るうえで、好ましくないことといえるでしょう。
医療従事者の間では、患者毎、処置毎に「手指消毒→手袋交換」を行うことが大前提となっています。一見清潔そうな手袋でも、一度何かに触れてしまっていれば、衛生面での信頼性は薄くなります。
ましてや、商品や小銭に繰り返し触れた手袋は、商品や小銭と同等以上に、清潔度は低下していくわけです。その手袋のままで、カートや買い物カゴを扱う、などの作業をすれば、汚染を広げることにつながりかねない、と考えられます。
手袋の着用より大切なのは、こまめな消毒や手洗いである、と筆者は考えます。
やっぱり基本は「こまめな手洗い、手指消毒」
突然私たちの生活を不安に陥れたCOVID-19。家庭や職場でできる最大限のことを…と、多くのみなさんが、マスクや手袋などの活用を積極的にしてくださっています。
せっかくの感染症対策への努力を無駄にしないために、感染対策アイテムの正しく効果的な使い方にも関心を持っていただけると、医療従事者の私としては、とてもうれしく思います。
病院内でもこんな光景がみられるほど、感染対策には念入りな点検が必要となっています。
ある事例をご紹介しましょう。病院内の感染対策が適切かどうかを「第三者の立場」から厳しくチェックする専門チームがあります。各病棟を巡回し、「ゴミ箱の蓋が開きっぱなしよ!」とか「アルコールの使用量が少ないけど手指消毒きちんとしてる?」とまるでドラマの鬼姑のように監視、指摘が入ります。ココだけの話、特に若手の看護師たちからは恐れられていたりするのですが・・・(苦笑)。
ちょっとふざけた表現になってしまいましたが、ここで私が伝えたいのは、「感染対策は、関わる人が、一つ一つの決まりを正しく守ることから始まるのだ」ということです。
さいごに
COVID-19の感染終息のめどはいまだたっていません。まだしばらく、マスク生活が続くことは確実です。感染症対策は「正しい方法で行う」ことで効果を発揮します。「みんながこう着けているから」といった付け焼き刃での対策は、逆効果となることもあります。
不安になった時こそ基本に戻り、こまめな手洗い、手指消毒を欠かさずに行い、健康を守っていきましょう。
【参考】
「鼻出してマスクを着用 問題は?(https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/06/0627.html)」NHK NEWS
「スーパーなどの『手袋』対応に感染リスク…何が問題? 専門家に注意点を聞いた(https://www.fnn.jp/articles/-/60768)」FNN プライムオンライン
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