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定年後60代の収入は現役世代の何割? 生活のダウンサイジングが必要なワケ

LIMO / 2021年6月17日 19時35分

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定年後60代の収入は現役世代の何割? 生活のダウンサイジングが必要なワケ

現役の頃と比べると、当然ながら老後の収入はかなり下がるもの。収入は基本的には年金中心になり、足りない分は貯蓄を取り崩して生活していくことになります。そのため、できる限り受け取る年金の範囲内で暮らすことができれば、老後のお金はさほど心配しなくていいかもしれません。

とはいえ、現役時の収入や支出に慣れていた人が、ある日を境に大きく減少した収入に見合った生活に変えるのは、なかなか難しいものです。

では、現役世代とシニア世代の収入や支出に、どのくらい違いがあるのでしょうか。総務省統計局の「家計調査報告 [家計収支編] 2020年(令和2年)」のデータを確認してみましょう。また、厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年度)」で、平均的な公的年金額も見てみます。

年金で暮らす夫婦の支出はどのくらい?

まず、総務省統計局の「家計調査報告 [家計収支編] 2020年」で、消費支出の月平均額を見てみます。

すると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯(全世代平均、60歳以上を含む)の消費支出が月平均305,811円であるのに対し、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は224,390円で、その差は約8万円(図表1参照)。

消費支出を項目ごとに見てみると、現役時と比べて交通費・通信費、教育費の負担は軽くなるものの、食費や保健医療、その他の消費支出(諸雑費、交際費等)の割合が大きくなっており、消費支出全体の約3割を食費が占めていることがわかります。

図表1:65歳以上の夫婦のみ無職世帯と2人以上の勤労者世帯(全世代平均、60歳以上を含む)の月あたり消費支出

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拡大する(/mwimgs/c/f/-/img_cf134b1877e99d8a5a64e8d78fe0c609135927.jpg)

出所:家計調査報告 [家計収支編] 2020年(令和2年)(総務省統計局)

ちなみに、2人以上の無職世帯で65歳以上の持ち家率の平均は93.1%です。一般的に高齢になると賃貸住宅が借りにくくなるうえに、一番のネックは家賃を払い続けていかなければならないこと。

ただ、持ち家であっても、年金を受給するようになってからも住宅ローンの返済が続く場合はかなり家計の負担になることが考えられます。

収入・支出が最も大きくなる50代

さらに「家計調査報告(家計収支編)2020年」で、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の年代別家計収支を見てみます。

すると図表2のように、実収入(注1)が最も高いのは50代で695,882円、消費支出も338,611円と、50代で収入・支出がともに膨らんでいることが分かります。

図表2:世帯主の年齢階級別家計収支(2人以上の世帯のうち勤労者世帯、単位:円)

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拡大する(/mwimgs/d/9/-/img_d99f401f08734fa85268e71c37aae3d264653.jpg)

出所:家計調査報告 [家計収支編] 2020年(令和2年)(総務省統計局)

40代〜50代にかけては、子供がいる家庭では大学費用で教育費がピークを迎えるタイミングでもあります。そこにローン返済も重なってくると、気付いた時には通帳の残高が想像以上に少なくなっていたという事態になりかねません。

50代は最後の貯め時と捉えて、家計をしっかり見直すことが大切だといえます。

注1 実収入:世帯主を含む世帯員全員の税込の現金収入の合計。給与のほか、事業・内職収入、公的年金等の社会保障給付、財産収入などが含まれます(ポイント利用分も現金収入に相当するものとされています)。

60代の収入は50代の7割弱

今はサラリーマン・ウーマンが60歳で定年退職した後も、再雇用制度を利用してそのまま同じ職場で働いたり、別の会社に再就職するという選択肢があります。 ところが、定年退職時の給料を維持できることは少なく、給料が4〜5割減というケースもあります。

図表2の年代別家計収支でも、50~59歳の実収入695,882円に対して、60歳以上は466,747円と、50代の7割弱の水準です。

一方、消費支出の方は60歳以上が286,136円で、50代の338,611円の約85%と、実収入ほどのダウン率ではありません。また、実収入が最も少ない40歳未満世代の579,311円より、60歳代の収入は少なくなっているにもかかわらず、支出は40歳未満世代の267,022円を上回ります。

60歳で定年になったからといって、すぐに支出を減らせるものではないのでしょう。生活水準を上げるのは簡単ですが、一度上がった水準を下げることの難しさを、この数字からもうかがい知ることができます。

公的年金はどれくらいもらえるのか?

最後に、老後生活の柱になる年金について見ていきます。

厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和元年度)」によると、厚生年金保険を受給している人の平均月額は144,268円。男女別では、男性164,770円、女性103,159円。また、国民年金を受給している人の平均月額は55,946円。男女別では、男性58,866円、女性53,699円でした(注2)

注2 令和3年度の国民年金の月額(満額)は65,075円で改定されています。

以下は、上記の平均月額をもとに夫婦で受給する年金額のイメージを示したものです。

ケース1. サラリーマンの夫と専業主婦
夫の厚生年金164,770円・妻の国民年金53,699円の合計で218,469円

ケース2. 共働き夫婦
夫の厚生年金164,770円・妻の厚生年金103,159円の合計で267,929円

ケース3. 自営業の夫とその妻
夫の国民年金58,866円・妻の国民年金53,699円の合計で112,565円

自営業やフリーランスだと、夫婦合わせても年金の平均月額は約11万円ほどです。自営業はサラリーマンのような定年がないとはいえ、年金を補う分をしっかり準備しておく必要があるでしょう。

なお、受給額は個人差がありますので詳細については日本年金機構のねんきんネット等でご確認ください。

おわりに

50代と60代の収入の落差は、想像以上に大きいと感じたかもしれません。定年後の収入は否応なしに少なくなりますから、そのタイミングでいかに支出もダウンサイジングできるかが、老後の生活の重要なポイントになるといえるでしょう。

60歳からの大幅な収入減にも対応するためにも、現役の頃から少しずつ家計の見直しをしていくことが、落差を乗り切るコツなのではないでしょうか。

参考資料

家計調査報告 [家計収支編] 2020年(令和2年)(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2020.pdf)(総務省統計局)

令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(https://www.mhlw.go.jp/content/000706195.pdf)(厚生労働省)

令和3年度の年金額改定について(https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/000725140.pdf)(厚生労働省)

ねんきんネット(https://www.nenkin.go.jp/n_net/)(日本年金機構)

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