給与アップを目指すなら〜現役管理職が語る「自分のキャリア形成に役立ったこと」
LIMO / 2021年8月24日 18時15分
給与アップを目指すなら〜現役管理職が語る「自分のキャリア形成に役立ったこと」
会社員として働く多くの人は、給与アップを目指したいと思うものでしょう。今年(2021年)5月、全国20歳~59歳の男女400人を対象に行われた「現状の給与への満足度に関するアンケート」※によると、「今の給与に満足している」のは16%。
※調査実施:株式会社SheepDogが運営するITツール比較サイト・STRATE(ストラテ)
満足していない84%のうち、もっとも多かったのが「不満で、今より5万円程度上げて欲しい」の29%。次いで「今より3万円程度上げて欲しい」の25%、「今より10万円以上上げて欲しい」の24%、「今より1万円程度上げて欲しい」の7%と続きます。
ただ、給与アップのためには自分のキャリアを磨くことが大きな一つの要素になります。そこで今回は、現役の管理職が考える「自分のキャリア形成に役立ったこと」について聞いてみました。
役職による給与の差はどのくらい?
では、給与は役職でどのくらい変わるのでしょうか。参考として、厚生労働省「令和2年 賃金構造基本統計調査」の結果から役職別の賃金(月額)を見てみましょう。
すると、「非役職者」が男性:29万8300円・女性:24万8100円、「課長級」が男性:49万9000円・女性:44万3100円、「部長級」が男性:60万1700円・女性:52万500円となっています(図表1参照)。
このように、たとえば非役職者と部長級では男女とも金額に2倍以上の差があり、役職の階段をのぼるにつれ給与も上がっていくことが示されています。では、役職を得た人はどんなスタンスで仕事に臨んだのでしょうか。以下、現役管理職が考える「キャリア形成に役立ったこと」を紹介していきます。
現場で得られる以上の専門知識を学んだ
上場企業で管理職をしているAさんは、専門知識を学ぶことが大事だと言います。
「自分は20代後半からマーケティングの仕事をしていて、専門知識は実地で身につくものだと思っていた。たしかに当時の会社ではそれでできることはたくさんあった。でも、それだけでは周りの人から抜け出して一段上に行くことができない。そのためにはちゃんと勉強しないと、と思った」と話します。
そこからAさんは、マーケティング関連の書籍を読み込み、専門知識だけでなく周辺知識として必要だと考えたデザインやウェブサイト構築の知識まで勉強したのだそうです。
「それまではないがしろにしてきたデザインやウェブ構築まで学んでみて、自分がどんなにウェブエンジニアに負担をかけてきたかもわかったし、デザイナーにどう言えばちゃんと伝わるかよく理解できた」と続けるAさん。
「専門ソフトを購入して自分で実際に手を動かしてみて、『これはデザインって大変だな』と思ったし、プログラミングにもいろんな気遣いが必要なことに気づいた。知識の上乗せができたこと以上に、専門職として働いている人たちの仕事の重みを理解できたことが管理職になって活きていると感じる」と話してくれました。
社会人になると仕事で精いっぱいで、意外と自分の仕事に関する専門知識の勉強が後回しになることもあるのではないでしょうか。しかし、そこで一念発起して学んでみることが次のキャリア形成へとつながるのでしょう。
とにかく何でもチャレンジし、人脈を広げた
金融機関の管理職として働くBさんは、とりあえずなんでもチャレンジしたことが役に立ったと振り返ります。
「正直、同世代と差がついたのはそこだったと思う。『自分にはまだできない』とか『自分がやるのは何か違うかも』と思うことでも、とりあえず積極的に手を挙げた。もちろん手を挙げたプロジェクトすべてに参加できたわけではないけれど、まず手を挙げることで周囲に自分の名前を覚えてもらえる」というBさん。
「それに、周囲の助けを借りながらなんとか頑張ることで周囲の人ともコミュニケーションが取れる。いろんな人と関わりができるのは社内での存在感を上げることにつながるし、いろんな会議に顔を出せば経営層にも自分のことを知ってもらいやすくなる」と話します。
ただ、単にがむしゃらにやったというワケではなく、自分なりの戦略があったと語るBさん。
「プロジェクトではそれぞれ学べる範囲が違うから、自分がまだ勉強したことのない分野の知識が得られそうだったり、幅広く人と交流できるようなものに参加するようにした。会社の同好会のリーダーも務めたし、忘年会の幹事もしょっちゅうだった」と笑います。
このように、どういうことが学べそうか、どういう人とコミュニケーションが取れそうかということを考えて仕事をすると、ゆくゆく役に立つ自分の財産を蓄積していけそうです。
社会人大学院に通ったことが刺激になった
金融機関の役員として働いているCさんは、30代で大学院へ入学。「社会人向けの夜間授業で、とても意欲のある人が多かった。そこでの出会いは非常に大きな財産」と話してくれました。
「専門的に学びたい分野があった。金融の知識は仕事を通して身につけていけるけれど、法律の知識は仕事ではなかなか得られないし、大学院にいきたくても若い頃はお金がなかったから、30代までお金を貯めてチャレンジした」と言います。
毎日定時に仕事を終えて授業を受け、授業が終わった後も大学院で自習し、終電間際で帰るという生活が数年続いた、と続けるCさん。
「当時は残業する者が偉いという空気だったから、同期からやや遅れを取っていることも感じていた。でも、大学院での学びで守備範囲が広がったと感じていたし、法務部の人たちよりも詳しい法律の知識が身について一目置かれることもあった。社長も大学院で学び直していたこともあって、自分のことをかわいがってくれたのも運がよかった」とのこと。
そうして活躍の場を広げ、役員まで昇進したCさんですが、大学院の同期たちとはまだつながりがあるようで、そこでのコネクションを使って仕事をしたこともあると話していました。
おわりに
今回は、自分のキャリア形成に役立ったと思うことを現役の管理職3人に聞きました。簡単に真似できることばかりではないかもしれませんが、キャリアアップの道筋をどう考えるかの参考にしてください。
参考資料
現状の給与への満足度に関するアンケート(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000077217.html)(株式会社SheepDog)
令和2年 賃金構造基本統計調査 結果の概要・役職別に見た賃金(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/07.pdf)(厚生労働省)
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