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サイゼリヤの稼ぎ頭は海外事業?利益予想は海外60億円、国内10億円に

LIMO / 2021年10月24日 7時0分

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サイゼリヤの稼ぎ頭は海外事業?利益予想は海外60億円、国内10億円に

サイゼリヤが2021年8月期決算とともに2022年8月期の予想決算を開示しました。コロナ禍の中で2021年8月期まで営業赤字が2期続きましたが、2022年8月期から営業黒字の予想です。ただし稼ぎ頭は60億円の利益を見込む海外事業であり、国内事業は完全復活には至りません。

約1000店舗を持ちながら10億円の利益予想に留まる国内事業について、今後の行方が注目されます。

【サイゼリヤ】2022年8月期の業績 コロナ禍前の水準に

2021年10月13日にサイゼリヤ<7581>は決算発表を行いました。コロナ禍により9月まで国内各地で緊急事態宣言が発出されており、2021年8月期の営業利益は前期同様に赤字となりました。しかし支援金の効果により、経常利益以下は黒字化しています。

決算発表では特に2022年8月期の予想決算が注目されました。下記に2019年8月期から2022年8月期予想決算まで4期分の決算を記します。

2019年8月期 売上高1565億円、営業利益96億円、経常利益97億円、当期純利益50億円

2020年8月期 売上高1268億円、営業利益▲38億円、経常利益▲21億円、当期純利益▲35億円

2021年8月期 売上高1265億円、営業利益▲23億円、経常利益35億円、当期純利益18億円

2022年8月期(予想) 売上高1500億円、営業利益70億円、経常利益130億円、当期純利益86億円

2022年8月期は営業利益でも黒字を回復し、経常利益は支援金の効果により100億円の大台を回復するなど大幅増益の予想です。ただし支援金の特殊要因なしでも、コロナ禍前の2019年8月期の一歩手前の数字に戻る予想となっています。

稼ぎ頭は海外事業にシフト

2022年8月期は2期続いた営業赤字からの脱出が予想されるサイゼリヤですが、コロナ禍前に比べ収益構造に大きな変化が生じます。売上はコロナ禍前と同様に国内事業が大きいものの、利益は海外が稼ぎ頭となり国内と海外が逆転します。下記が国内と海外の部門別損益です。

2021年8月期:国内売上高862億円、セグメント利益▲72億円・海外売上高451億円、セグメント利益51億円

2022年8月期(予想):国内売上高1000億円、国内営業利益10億円・海外売上高500億円、海外営業利益60億円

【参考】2019年8月期:国内売上高1190億円、セグメント利益52億円・海外売上高417億円、セグメント利益45億円

売上高はコロナ禍前の2019年8月期に比べ、国内が減収の一方で海外は増収となり、営業利益(セグメント利益)は国内が大幅な減益の一方で、海外は大幅な増益が見込まれています。尚、2021年8月期は国内事業が大赤字(▲72億円)の一方で海外事業は51億円の黒字です。2022年8月期は国内が黒字化するものの海外事業の利益額には追いつきません。

再び店舗のスクラップ&ビルドの可能性も

サイゼリヤの国内店舗は2015年8月期から2016年8月期にかけて出店の抑制とともにスクラップ&ビルドが行われました。その結果、2017年8月期は営業利益が100億円の大台に到達するなど、一定の成果を上げました。

これまで年間約30~40店の退店が行われており(2021年8月期41店)、来期も40店の退店予想です。ただし直近では2020年8月期を除き出店数が退店数を上回っており、国内店舗全体としては店舗数の増加が続いています。

2022年8月期はコロナ禍からの病み上がりの状態であり、国内事業がギリギリ黒字(10億円)という状態はやむを得ないと考えられます。しかし翌2023年8月期以降も国内事業の収益力の回復が見えない場合、国内店舗は再度スクラップ&ビルドが迫られる可能性もあるのではないでしょうか。

国内事業の利益推移に注目

格安イタリアンを国内に広めたサイゼリヤは完全に国内企業のイメージがあります。しかし2021年8月期は国内事業が赤字であり、完全に海外事業(海外店舗は中国中心)に支えられています。コロナ禍は世界経済に大きな影響を与えましたが、サイゼリヤでは国内事業への影響が非常に大きい状態です。

出退店数と期末店舗数の推移(海外)

(/mwimgs/5/9/-/img_5907f323d185c3b5d2e22dd290ca97c593430.png)

拡大する(/mwimgs/5/9/-/img_5907f323d185c3b5d2e22dd290ca97c593430.png)

【出典】株式会社サイゼリヤ「2021年8月期 決算説明会」(2021年10月13日)

サイゼリヤの2022年8月期は簡単にいえば、国内約1100店で利益10億円、海外約500店で利益60億円という予想です。今後国内事業が復活して海外事業を上回る利益を上げることになるのか、それとも国内事業は低採算のまま進み店舗削減などのスクラップ&ビルドが迫られるのか、アフターコロナ・ウィズコロナ時代のサイゼリヤの国内事業の行方が注目されます。

参考資料

株式会社サイゼリヤ「2019年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2019年10月9日)(https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf000670.pdf)

株式会社サイゼリヤ「2021年8月期 決算説明会」(2021年10月13日)(https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf001084.pdf)

株式会社サイゼリヤ「2021年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2021年10月13日)(https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf001083.pdf)

株式会社サイゼリヤ「平成29年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2017年10月11日)(https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf000513.pdf)

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