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イマドキ女性も「専業主婦」になりたいのか?女性たちが働くワケとは

LIMO / 2022年7月19日 14時50分

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イマドキ女性も「専業主婦」になりたいのか?女性たちが働くワケとは

夫の年収別にみる女性の有業率とは

現代社会において、女性の社会進出を進めていこうという動きがあります。

そうした中で、女性を積極的に採用する企業や女性管理職の割合を増やそうとする企業も増えています。また、経験や学びを社会で活かしたいと考える女性も多いでしょう。

一方で、専業主婦に憧れる女性や、専業主婦として家庭を管理したいと思いながら働く女性も一定数います。

そこで今回は、専業主婦世帯の割合の変化や、夫の年収別の女性の有業率などを見ていきましょう。

「男は外で働く」「女は家庭を管理する」という考え方は古い?

まずは、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2022年に公表している「専業主婦世帯と共働き世帯の推移」を見てみましょう。

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「図12 専業主婦世帯と共働き世帯」

1980年から2021年にかけて共働き世帯はほぼ右肩上がりの一方で、専業主婦世帯は減少傾向にあります。

1980年代初頭において共働き世帯は600万世帯弱でした。共働き世帯の数は年々上昇傾向にあり、2021年には1247万世帯になりました。現代における共働き世帯は、1980年初頭の約2倍です。

一方で、専業主婦世帯は1980年初頭には約1100万世帯ですが、2021年には566万世帯にまで減少しています。

同調査から、現代において女性が専業主婦として家庭におさまるという価値観を一般化することは難しいといえます。

以下、女性たちの置かれた状況を踏まえながら、女性が働く理由を考えていきましょう。

イマドキの女性たちが働く理由1. 男性の収入だけでは家計に余裕がない

厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査」によると、日本人の1世帯あたりの平均所得金額は552万円、現実により近い中央値は437万円です。

出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」

平均程度の収入が夫にあれば妻が専業主婦であっても平均的な生活水準で暮らせる場合もありますが、子どもの人数やお住まいの地域などによって異なるでしょう。

実際には上記の画像をみると、約6割の家庭で平均所得金額に達していません。

国税庁の「令和2年(2020年)分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は433万円。結婚適齢期といわれる25~29歳男性の平均年収は393万円、30~34歳男性については458万円です。

出典:国税庁「令和2年(2020年)分 民間給与実態統計調査」

年収400万円前後は一人で暮らすには十分な年収であるものの、妻や子どもを養うには少々物足りない金額といえるのかもしれません。また、年収400万円以上とならない場合もあります。

夫婦で働けば家計にゆとりがでるため共働きを選ぶご家庭もあるでしょう。共働きであれば余剰資金をレジャーや外食、教育費、貯蓄などに充てやすくなります。

イマドキの女性たちが働く理由2. 働くことになんらかの価値を見出している

少々古いデータになりますが、総務省「就業構造基本調査(2017年)」は夫の所得階級別の妻の有業率を明らかにしています。

出典:内閣府男女共同参画「結婚と家族をめぐる基礎データ」

年収300万~499万円の夫をもつ妻のうち、7割以上が働いています。

夫の年収が500万円を超えるあたりから妻の有業率はわずかに減少しています。とはいえ、年収500万円以上稼ぐ夫の妻の有業率が50%を下まわることはありません。

また、年収1500万円以上の夫をもつ妻についても、約56%が働いています。

子どもを都心部で育てる場合、世帯年収が1000万円でも余裕がないという意見も少なくない昨今。最近は、パワーカップルという言葉を耳にする機会も多いです。

夫の年収がある程度あっても、養育費や老後の資金を考慮し、夫婦で家計を支えていこうという方針の家庭も多いと考えられます。

1500万円以上の年収の夫をもつ女性の約56%が働いているという結果には、お金以外の価値を見出して働いている女性も少なくないことが窺えます。自身の能力や学生時代の学びを活かし、社会で活躍する女性も多いでしょう。

現代の女性が「勤務先の条件」として重視するものとは?

「イマドキの女性たちも専業主婦を望んでいるのか?」という問題を考えるにあたり、経済産業省中部経済産業局の「女性の就業意識に関する調査報告書」(平成31年)が一つの参考になります。

同調査は愛知県、三重県、岐阜県、石川県、富山県の学生を除く20歳以上の女性を対象(n=1109)としていますが、女性が勤務先の条件として重視するものとして多いのは下記の5つです。

出典:経済産業省中部経済産業局「女性の就業意識に関する調査報告書」(平成31年)

通勤がしやすいこと 45.7%

給与の額が希望に一致すること 37.2%

勤務時間が合う、都合に合わせて勤務できる 31.4% 

希望する曜日が休日であること 30.4%

希望する雇用形態であること 27.7%

一方、同調査によると、「勤務先が希望する業種であること」と回答したのは21.7%、「希望する社風であること」については9.3%という結果に。

多くの女性たちが自分のやりたい仕事を探すというよりも、むしろ通勤しやすく、ライフスタイルに合わせて収入を得ることを求めているのがわかります。

まとめにかえて

現代社会では共働きの家庭の方が多く、既婚女性が家庭に収まるという考え方は一般化しにくいといえるでしょう。

働く女性と一括りでいっても、人によって仕事をする理由はさまざまです。たとえば、仕事を通して自己実現したい人もいれば、給与を生活費の足しにしたいと考える人もいます。

多くの人たちが経済的不況や商品の値上がり、さらには老後資金に悩む昨今、少なくない女性たちが家計を支えるために働いているといえるのではないでしょうか。

参考資料

独立行政法人労働政策研究・研修機構「図12 専業主婦世帯と共働き世帯」(https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html)

厚生労働省「2019年国民生活基礎調査Ⅱ 各種世帯の所得等の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)

国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf)

内閣府男女共同参画「結婚と家族をめぐる基礎データ」(https://www.gender.go.jp/kaigi/kento/Marriage-Family/10th/pdf/1.pdf)

経済産業省中部経済産業局「女性の就業意識に関する調査報告書(平成31年)」(https://www.chubu.meti.go.jp/b32jinzai/jinzai_bank/anketo_zyosei.pdf)

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