税金払いすぎ?配当金の確定申告、得するケースと損益通算の考え方

トウシル / 2019年2月8日 5時0分

写真

税金払いすぎ?配当金の確定申告、得するケースと損益通算の考え方

 株式投資で受け取ることの多い配当金。この配当金は、確定申告をするべきでしょうか。みなさんはご存知ですか?

 

配当金の税金は確定申告が必要?

 平成30年分の所得税の確定申告の受付は2月18日から3月15日まで(還付申告の場合はそれ以前でも受付)。そろそろ確定申告の準備にとりかかる時期ではないでしょうか?

 株式投資をしている個人投資家の場合、配当金を受け取っている方も多いと思います。この配当金の確定申告について不安に感じているかもしれません。

 結論から言うと、上場企業から受け取る配当金については、確定申告せずに放っておいて問題ありません。
 ただし、確定申告をした方が有利な場合があるので紹介します。

 

配当金の税金は3つの選択肢がある

1.源泉徴収
 上場企業から受け取る配当金については、あらかじめ20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の源泉徴収(天引き)がされた残りの金額が私たち個人投資家の手元に入ってきます。

 つまり、配当金を受け取った段階で、すでに配当金に対する税金の支払いは終わっているのです。

2.総合課税により確定申告をする
 専業主婦や少額の年金収入の場合、20.315%の税金は「取られすぎ」になっていることがあります。総合課税で申告をすれば、取られすぎの税金に対し、還付や減額ができます。

3.申告分離課税により確定申告をする
 上場企業から受け取る配当金は、上場企業の株式等の売却損(過去の繰り越し分含む)と相殺することができます。ただこれは、同じ年の配当金と売却損、かつ「源泉徴収ありの特定口座+株式数比例配分方式での配当受け取り」を選択していなければ納税者自らが確定申告の手続きにより行う必要があります。
 配当金と売却損の相殺により配当金から源泉徴収された税金が還付・減額となります。

具体的にどのくらいの所得なら確定申告した方が有利?

 上場企業の配当金に対する税率は所得税15.315%、住民税5%です。
 したがって、確定申告をすることによりこれを下回る税率になる方であれば、確定申告をした方が有利となります。

 例えば少額の配当金のみで、基礎控除の範囲内しか収入がないという方は、所得税・住民税とも確定申告することで源泉徴収された税額の全てが還付されます。(所得税の確定申告を行い、住民税については何も手続きをしなければ自動的に住民税の申告もしたことになります)。

 また、所得税については確定申告をする一方、住民税については申告不要(源泉徴収された5%で完了)とするという選択もできます。この方法を使うと、課税所得が900万円以下であれば配当金を確定申告した方が、源泉徴収のみで済ませる場合の20.315%の税率より低い税率となるため有利です。

 なお、実際は配偶者控除や扶養控除等の影響などを考慮して、確定申告をした方が有利かどうかを判定することになります。分からない点があれば、税務署や税理士に相談してみるとよいでしょう。

 

総合課税と申告分離課税の併用はできません

 通常、総合課税により確定申告するのは源泉徴収のみで納税完了とするよりも税率が低い場合です。また、申告分離課税により確定申告するのは株式の売却損と配当金を相殺して、源泉徴収された配当金の税金を取り戻す場合です。

 では、次のようなケースはどうでしょうか?
 ◯平成30年に受け取った配当金(源泉徴収前の額)30万円(2万円×15銘柄)
 ◯平成30年の株式の売却損 10万円
 ◯平成29年以前から繰り越した株式の売却損はないものとする

 もし、課税所得が900万円以下であれば、まずは配当金のうち10万円分を申告分離課税として売却損と相殺するのがセオリーです。
 そして、残り20万円分については総合課税により確定申告すれば有利です。

 しかし、配当金を確定申告する場合、申告分離課税と総合課税を併用することはできないのです。
 そのため、選択肢としては次のようなものが考えられます。
(1)10万円分は申告分離課税で確定申告、20万円分は源泉徴収にて納税完了(確定申告しない)
(2)30万円分全てを総合課税により確定申告

 所得金額が900万円近くであれば(1)の方法が有利であり、所得金額が非常に小さければ、(1)ではなく(2)の方法を取った方が有利となる可能性もあります。その上で、売却損については配当金と相殺せずに次年度以降に繰り越しておくのです。

 売却損の金額が小さい場合や、所得が少ない場合は、あえて申告分離課税を使って配当金と相殺することをせずに、全て総合課税により申告した方がトータルすると有利となることもあります。

 なかなか奥が深いのが配当金の税金。でも、税金の仕組みを分かっていないがために余計な税金を支払うのももったいないことです。そうならずに済むように、ご自身でも勉強しておくことをおすすめします。

(足立 武志)

トウシル

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング