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日経平均は上値切り下げムード。25日線の攻防とマザーズ上昇に「そろそろ感」

トウシル / 2020年10月19日 13時14分

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日経平均は上値切り下げムード。25日線の攻防とマザーズ上昇に「そろそろ感」

日経平均:ジリジリと失速。反発の可能性は残る

 先週末10月16日(金)の日経平均終値は2万3,410円でした。前週末終値(2万3,619円)からは209円安、週足ベースではコロナ・ショック後の戻り高値を更新した前週の上昇から再び下落に転じました。

 今週の日本株は、スケジュール的に国内の材料が少なく、海外の動きに左右されやすい相場地合いになりそうです。とりわけ、米国では決算シーズンが本格化し、IBMやネットフリックス、P&Gにマイクロソフト、テスラ、インテルなど注目企業の決算発表が相次ぎます。

 また、政治面でも実施されるかどうか不確定でありますが、大統領候補による討論会が予定されている他、景況感では米ベージュブックの公表や、中国でも7-9月期GDPをはじめとする各種経済指標も控えています。

 外部環境の「森」が不安定な中、個別銘柄の「木」の動きで堅調さを保てるかが今週の焦点になります。これまでの相場展開からすれば、もみ合いの展開が今週も続きそうなムードではありますが、まずは、いつもの通り足元の状況から確認します。

■(図1)日経平均(日足)とMACD(2020年10月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて、先週の日経平均の値動きを振り返ると、前週につけた高値を超えることなく、むしろ上値が切り下がる格好でジリジリと失速していくような格好となりました。ローソク足も14日(水)以外はすべて陰線となっている他、ようやく抜けきったと思われた2万3,000~2万3,500円のレンジ内に再び足を踏み入れています。

 下段のMACDに注目しても、16日(金)の取引でMACDがシグナルを下抜けしつつあります。

 とはいえ、株価と移動平均線との絡みでは、25日移動平均線水準を維持して終えており、相場自体はまだ崩れていません。さらに、週末の先物取引でも2万3,500円台を回復していることもあり、反発への可能性を残しています。「ひとまずホッとできた」印象になっていますが、週を通じてこの25日移動平均線の攻防戦を乗り切れるか、上放れできるかがポイントになります。

TOPIX:25日移動平均線を下抜け

 ちなみに、先週末16日(金)の日経平均は前日比で96円安でしたが、指数寄与度の大きいファーストリテイリングが強気の業績見通しを発表したことで株価を大きく上げていなかったら、もっと下げ幅が大きくなり、25日移動平均線を下抜けていた可能性があります。

 実際に、もうひとつの主要株価指数であるTOPIX(東証株価指数)を見ると、週末にかけての2日間で25日移動平均線を下抜けてしまっています(下の図2)。

■(図2)TOPIX(日足)とMACD(25日)(2020年10月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 また、下段のMACDについては、9月30日にシグナルを下抜けてから下落基調が続いており、下方向への意識が続いていることも意識しておいた方が良さそうです。

 TOPIXが早い段階で25日移動平均線を回復し、国内企業の決算が本格化する来週まで株価水準を維持することができれば、相場のムードが好転しそうです。

マザーズ指数:高値更新後、達成感で失速。再び上値をトライできるか?

 続いて、マザーズ指数についても見ていきます。

■(図3)マザーズ指数(日足)の動き(2020年10月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先週のマザーズ指数は、14日(水)の終値が1,365pとなり、終値ベースでの高値である2018年1月24日の1,355pを超えてきましたが、週末にかけては失速していきました。高値を更新したことによる達成感で売りが出たと考えられます。

 ここで気になるのは、マザーズ指数が再び上値をトライできるかです。図3を見ると、16日(金)時点の株価水準は、25日移動平均線からまだ距離があり、週末に下げたとはいえ、日足チャートで見た限りは相場が崩れた印象はありませんが、マザーズ指数は3月13日の安値(527.3p)から10月14日の高値(1368.19p)まで約7カ月で2.59倍となっており、上昇の大きさは何気に米NASDAQの1.8倍を超えているため、過熱感があるのも否めません。

 前回のレポートでも指摘しましたが、13週移動平均線乖離(かいり)率が高く、過熱感とされる水準を大きく超えても、2013年の「アベノミクス相場」初期の時のように、「スガノミクス」でさらに上昇する可能性もあります(下の図4)。

■(図4)マザーズ指数(週足)と移動平均線乖離率(13週)(2020年10月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ただ、週末にかけての分足チャートで見ると、特に16日(金)の値動きが荒っぽくなっていることが分かります(下の図5)。

■(図5)マザーズ指数(5分足)の動き(2020年10月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 株価の上げ下げが激しいということは、売りにあらがう買いがあることの証左であり、再び上昇に向かう余地がありそうですが、注意しておきたい点があります。

 16日(金)の取引終了時点でのマザーズ市場の時価総額上位5銘柄は、メルカリ、フリー、ラクス、弁護士ドットコム、BASEですが、それぞれのPER(株価収益率)をみると、メルカリとフリーが赤字でPERが算出できず、ラクスは156倍、弁護士ドットコムが1,113倍、BASEが933倍となっています。

 新興株市場は成長期待を織り込みやすく、ある程度の高いPERは、売上が伸びているあいだは許容できるものの、さすがに1,000倍前後のPERだと、期待を織り込み過ぎという見方が出ても不思議ではありません。

 だから今週下げるというわけではありませんが、「そろそろ感」があるのも事実です。いったん売りに転じると、かなりの下落となる恐れがあるため注意が必要です。

NASDAQ:直近高値を超えられずに売りに押される。決算をきっかけに上昇できるか?

 最後に、米NASDAQについても見ていきます。冒頭でも述べた通り、今週からNASDAQに上場するグロース銘柄の決算発表が出始めます。

■(図6)米NASDAQ(日足)の動き(2020年10月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 NASDAQの値動きをみると、直近高値(9月2日の12,074p)付近まで戻したものの、超えられずに売りに押される格好となっています。今週以降の決算をきっかけに上昇できるかが注目点です。

 仮に超えられずに軟調な展開となった場合には、いわゆる「ダブルトップ」の形成も意識され始めることになるため、こちらについても注意しておく必要がありそうです。

(土信田 雅之)

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