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NISAでの長期投資、上昇相場で売っていい?

トウシル / 2024年4月10日 16時0分

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NISAでの長期投資、上昇相場で売っていい?

 旧つみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の頃から長期積立投資に取り組んでいる人はもちろん、2024年からの新NISAをきっかけに始めた人まで、足元の上昇相場により、含み益になっている人が多いのではないでしょうか。

 こういった状況で最近よく聞かれるのが、「一度利益を確定しておくべきでしょうか」「買い増ししておいた方がよいでしょうか」といった声です。今回は、資産形成を目的とした長期投資において、こういった局面でどうするべきか説明します。

特に何もしない、ライフプランに基づいてこれまで通り続けるだけ

 最初に結論をお伝えすると、大きな含み益の状態になっていたとしても、売却したり買い増しをしたり、何か特別なことをする必要はありません。

 資産形成が目的であるなら、ご自身のライフプランをイメージしながら、淡々と長期投資として保有を継続していくべきです。そして、現在積み立てている人は特にペースを変えることなく、そのまま続けていくべきです。

「来年には売却してマイホームの頭金として使う予定がある」など、もともと何らかのライフイベントなどで使うことになっている方であれば、売却タイミングの分散という意味で、少し早めに売却し始めていくのも選択肢になると思いますが、そういった事情でもなければ、マーケットの動きに応じて売買する必要はありませんし、むしろすべきではありません。

売却したら、その資金はどうするのか?

 とは言っても、含み益が大きくなっているので一度売却して利益を確定させておきたい、と考える人もいるはずです。そういう人は、売却して利益確定させた場合、そのお金は預貯金に置いておくのでしょうか。それとも、別の金融商品に投資するのでしょうか。

 預貯金に置いておく場合、マイナス金利が解除されたとはいえ、預金金利は0.02%など引き続き低水準であることに変わりありません。もともと当面使う予定のないお金を投資にまわしていたのであれば、売却して預貯金などで眠らせ投資をやめてしまうことで、収益機会を逃してしまう可能性があります。

 また、別の金融商品に投資する場合は、何に投資するのでしょうか。少しでも高いリターンを求めて、より魅力的な投資先を探していくのでしょうか。

 筆者は、資産形成が目的であるなら世界の幅広い株式に分散投資できるインデックスファンド1本で十分だと考えていますが、「それ以外にもっとよいものを」と飽くなき追求を続けていくのは負担が大きくなってしまう可能性があります。

上昇相場を逃さないために、マーケットに居続ける

 世界株式インデックスファンドの代表的なベンチマークの1つ、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに、2003年1月に1万円を投資して、2022年12月までの20年間保有していたら5万7,888円となり、年率リターンは9.2%でした。

出所:MSCI Inc.より、ACWI Gross JPYで筆者が分析(信託報酬などの費用は含まず)

 例えば、一年間の取引日(営業日)が250日あったと仮定すると、20年間では5,000日の取引日があったことになります。1日ごとに、1.5%上昇した、0.3%下落した、などと日次のリターンが5,000日分あるわけです。

 その5,000日分の日次リターンを最も高いものから最も低いものまで並べて、最も高い方からベスト10日分のリターンが得られなかった(全て0%だった)とすると、20年間の年率リターンは9.2%から5.1%まで低下してしまうことになります(上のグラフ)。

 同様に、ベスト20日分を逃してしまうと2.7%まで下がり、ベスト40日を逃すとマイナス1.0%まで下がってしまうという結果になります。

 もちろんベスト10日分だけを逃すということは現実的ではありませんが、ベストなリターンがいつ実現するか分からない以上、マーケットに居続ける、つまり投資した状態で居続けることが大切なのです。

 資産形成ではジタバタせずに保有し続けること、ほったらかしがいいことについて、以下の記事でも説明していますので、併せてお読みいただければと思います。

(2023/10/18掲載)
長期の資産形成では「ほったらかし」がいいわけ

(横田 健一)

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