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松屋「焼肉タレ英訳騒動」で批判集めた意外なもの SNSでの盛り上げ施策より消費者が気になるのは…

東洋経済オンライン / 2023年11月15日 18時30分

SNSでの意見を活用した企業プロモーションは多々あるなかで、成功する例もあれば炎上する例も……(写真:Ryuji/PIXTA)

「焼肉のタレがわかりにくい」。牛めし(牛丼)・定食チェーン「松屋」へ寄せられた要望に、公式SNSが反応して、話題を呼んでいる。タレのボトルに添えられた英訳では、その中身を区別できないとの意見を受けて、新たな表記を募集したのだ。

【写真】物議を醸している「Yakiniku Sauce」ボトルはこちら

筆者はネットメディア編集者として、SNSでの意見や交流を活用した企業プロモーションを10年以上ながめてきた。大成功した事例から、あざとすぎて「炎上」してしまったケースまで――。

ウェブ上で「消費者の声」を集めることには、メリット・デメリットの両面がある。今回は「タレのボトル」を起点に考えてみよう。

「Yakiniku Sauce」が話題に、SNSで即施策化?

事の発端は、松屋店内の卓上に置かれている「タレ」だ。ボトルは現在、「甘口」「バーベキュー」「ポン酢」の3種があるが、添えられている英訳はすべて「Yakiniku Sauce」。これが外国人客には難しいのではないかと、2023年11月上旬からSNS上で話題となり、一部メディアも報じた。

たとえばBuzzFeed Japanの記事(11月9日配信)では、運営会社・松屋フーズへの電話取材の様子をあわせて伝え、「変更することを含めて検討」などの回答を引き出している。

そんななか11月10日に、松屋は公式X(旧ツイッター)アカウントで、英訳の提案を「緊急募集」すると告知した。期間は3日間で、引用リポスト(旧リツイート)での提案を集め、抽選で1人に「焼肉のタレ」3種の現行ボトルをプレゼントするという。

この呼びかけに対して、「翻訳のプロに頼めばいいのでは」といった冷ややかな声もあるが、純粋に改名案を挙げるユーザーも続出。

「表記がわかりづらい」との指摘が話題となった直後、すぐさま動いたことにより、一般ユーザーの投稿をふくめた「仕込み」や「やらせ」といった、いわゆる「炎上商法」を疑う声もゼロではないが、おおむね好評なようだ。

消費者を巻き込むSNSマーケティングは、諸刃の剣ではありながら、もし成功すれば、新たなファン獲得や、既存ファンの親密度を高められる余地がある。企業のPR戦略としても、大いに参考になる事例になりそうな印象だ。

噴出する券売機への不満、思い出される過去の黒歴史

ところが、X(旧ツイッター)を離れると、異なる声が浮かんでくる。どういうものかと言うと、今回の施策とは関係のない、「券売機」への苦言が、ニュースサイトのコメント欄で多く見られるのだ。

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