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わが子への期待を「極限まで下げるべき」納得理由 「なぜできないの?」と思ってしまう親のズレ感

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 11時0分

これは明らかに悪循環で、負のスパイラルが高速化している状態です。その行き着く先は「相互不信」です。つまり、親は子どもを信頼できないし、子どもも親を信頼できないという状態です。

なぜこのようなことになってしまったのでしょうか? 問題の出発点は何だったのでしょうか?

それは「親の期待値が高すぎた」ことだと考えています。

もう一度、大切なので言いますが、「子どもは親を喜ばせたい」と思っています。しかし、親の期待が高いと、子どもはそれに対していつまでも応えられません。

例えば、60点取っている子がいたとします。親の期待値は80点とします。子どもが頑張って70点を取ってきたとき、親は、満足しません。80点に届いていないからです。おそらく次のようなことを子どもに言うと思います。

「よく頑張ったね。でももっと頑張れば80点は取れるんじゃないの」

子どもは喜んでもらおうと思ったのに、親は不満状態。その後、もっと頑張って80点取ろうとする健気な子もいますが、大抵はやる気を失っていきます。

「〇〇までよく頑張ったね。でももっと頑張れば△△までいけるよ」という構文は一見、子どもを励ましているかのように思えますが、子どもは励ましとは受け取っていません。「△△になるまで認めないからね」という条件付きメッセージと受け取ってしまいます。そして、親を喜ばせることができなかったとがっかりしています。

そのため、親は「子どもへの期待をしない」のがよいのですが、「期待をしない」という言葉は誤解を招きやすいため、「期待値を究極まで下げる」という言葉を筆者は使っています。

「感謝と満足」の気持ちを持って子どもに接する

では、「期待値を究極まで下げる」状態とは、どのようなことをいうのでしょうか。

それを筆者は次のような状態と考えています。

「子どもが元気で生きているだけでありがたく、『感謝と満足』の気持ちを持って子どもに接する状態のこと」

つまり、今生きているだけでラッキーという状態です。例えば、何か想像もしないような大きなアクシデントが起こり、1週間後に出会えたとしましょう。きっと「生きていてよかった!!」と言って涙を流しながら抱き合うと思います。そのときに、「宿題はやったの?」とか「もっと勉強頑張らないとね!」とは決して言わないはずです。これが期待値が究極まで下がった状態と言います。ですから、子どものことを諦めたとか、どうなっても構わないというネガティブな状態ではありません。

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