1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

新NISA、今知っておきたい「年齢別・職業別」活用法 iDeCoとうまく併用しながら資産を増やす

東洋経済オンライン / 2023年12月3日 15時0分

仮に、③の企業年金がない会社に勤めているのなら、iDeCoではなるべくたくさん積み立てておく必要があります。一方で、公務員や③の企業年金がとても手厚い会社に勤めている恵まれた人もいます。そういう人のiDeCoの掛け金上限額は、公平性の観点から低く抑えられています。

ですから、大きな老後資金を自分で準備したいと思うならば、NISAも十分に活用して準備していくべきでしょう。会社員はまず、自分の老後の資金地図がどうなっているのかを知ることが大事です。

【自営業・フリーランスの場合】

では続いて自営業・フリーランスの場合を見てみましょう。会社員・公務員とはかなり違う図になります。

①の働いて得る収入は、60歳以降も比較的継続して期待できます。自営業・フリーランスには定年がないので、健康に問題がない限りは自分の裁量で働き続けられるからです。

会社員・公務員との大きな違いは、まず②の公的年金が少ないことです。自営業・フリーランスの人は厚生年金に加入できないので、国民年金だけです。人によって金額は違いますが、大雑把に言うと会社員の2分の1から3分の1程度しか公的年金はありません。また当然ながら、③もありません。会社に勤めているわけではないので、「企業」と名の付く年金は受け取れません。

自営業やフリーランスの人にiDeCoは極めて重要

従って、自営業やフリーランスの人にとってiDeCoは極めて重要な存在になります。ですから、iDeCoの毎月の掛け金上限額は6万8000円と、会社員・公務員の3~5倍になっています。

さらに図には入れていませんが、自営業・フリーランスの場合は「国民年金基金」や「小規模企業共済」といった、自分で老後に備える制度が充実しています。

国民年金基金は年金を終身でもらえるのが魅力ではありますが、加入時の金利がずっと適用されるので、1990年代前半の高金利時代には人気だったものの、最近は低金利のため新規加入者数は細る傾向にあります。

掛け金がiDeCoとの合算で月6万8000円までというルールもあり、個人的には、自分の判断で運用ができるiDeCoを優先して考えるのがいいと思います。

そして言うまでもなく、NISAも自営業・フリーランスの人ほどしっかりと活用し、資産を積み上げていくのがいいでしょう。先ほど、NISAは老後資金をつくっていく上では助っ人のような存在と書きましたが、この助っ人、なかなか頼もしい存在なのです。

NISAも活用して豊かな老後を目指す

さて、ここまでお話ししてくると、NISAとiDeCoの地図がどうなっているかはだいたいお分かりですよね。

老後に向けた私的年金としてのiDeCoが最も必要なのは自営業・フリーランスの人、次に必要性が高いのは企業年金の制度がない会社に勤めている人ということになります。実際、2016年まではiDeCoに加入できるのはこの2つのケースに該当する人だけでした。

最近では、公務員や専業主婦なども含め、現役世代のほぼすべての人がiDeCoに加入できるようになっています。

ただ、必要性に合わせて掛け金の上限額は設定されていますし、それほど大きな枠ではありません。豊かな老後を目指すというのであれば、NISAも大いに活用して、公的年金に上乗せするまとまった資金を準備していくことを考えるべきだと思います。

大江 加代:確定拠出年金アナリスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください