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経済学とその他の社会科学の違い、言えますか? 経済学者がよく使う「合理的行動」の意味とは

東洋経済オンライン / 2023年12月4日 9時0分

すべての社会科学は人間の行動を研究する。その中で、経済学はどこが違うのだろうか?

経済学の3つの重要な概念

経済学には3つの重要な概念がある。

第1の原理とは

1. 最適化 ここまで説明してきたとおり、経済学は選択の学問だ。

人間のすべての選択を研究することは、壮大な課題であり、最初は不可能に見えるかもしれない。

そして、一見したところ、消費者がマクドナルドでダブルベーコンチーズバーガーを選ぶことと、企業幹部が5億ドルを投資してノートパソコンの工場を中国に建設する決定をすることには、何の共通点も見出せないように思える。

経済学者は、各経済主体が直面する広範囲の選択を統一的なものとみなす強力な概念を作り出した。その1つが、すべての選択には最適化という共通項があるということである。

最適化とは、人は実現可能な選択肢の長所と短所のすべてを、意識的または無意識に天秤にかけて、最善の選択肢を選ぶという考え方だ。

言い換えると、人は便益と費用の計算に基づいて選択を行う。

最適化は経済学の第1の原理だ。経済学では、私たちの選択のほとんどは最適化で説明できると考えている。

これには、映画に誘われて、行くかどうかという小さな決断から、誰と結婚するかといった大きな決断まで含まれる。

第2の原理とは

2. 均衡 経済学の第2の原理は、均衡である。

経済システムは均衡に向かう傾向がある。均衡とは、そこから行動を変えることで便益を得る人は誰もいない、という状態のことである。

各経済主体が、別の行動をとっても自分の状況は良くならないと信じているとき、経済システムは均衡にある。

言い換えると、均衡とは、みなが同時に最適化している状態である。

第3の原理とは

3. 経験主義 経済学の第3の原理は、経験主義である。

経済学はデータを使った分析、あるいは根拠に基づく(エビデンス・ベースの)分析だということだ。

経済学者は理論を検証したり、世の中で起きたことの要因を分析するためにデータを活用する。

合理的な行動とは

ではここで、第1の原理をさらに詳しく考えていこう。

経済学とは選択の学問であり、選択がどのように行われるかを示す理論である。経済学では、経済主体は最適化を試みると考える。

すなわち、経済主体は利用しうる情報をもとにして、「実現可能」な最善の選択肢を選ぼうとする、と考える。

ここで実現可能とは、予算の範囲内にあってかつ実際に選択しうる、という意味だ。財布に現金が10ドルしかなくて、クレジットカード、デビットカード、キャッシュカードのいずれも持っていないとしよう。

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