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「起業は自己実現、でも経営は修行」である理由 元起業家・起業家・私設図書館長が組織論を語る

東洋経済オンライン / 2023年12月8日 10時30分

平川:ある人が『共有地をつくる』(ミシマ社)っていう俺の本を読んで、平川さんは会社を作って、その会社を成功させて金儲けするってことがしたいわけじゃなくて、共有地であったりコミュニティーのようなものを作りたかったんですねって言われたんだけど、確かにそういうところもある。だけど本当はそうじゃなくて作家になりたかったんだよ。でも作家になれなかったから、その代償として何か創造的なことをやりかったの。

株主資本主義への疑問

栗原:やっぱり経営者って我慢したり、つらいですよね。中国古典にもありますけど、諌められたら聞かなきゃいけないのが経営者の徳であると言われる。私も創造的なことをしたいという思いもあったので、当初は事業を通じて自分の表現したいことをするんだと思って事業と表現を合体させようとがんばっていたときもありました。

でもやっぱり事業は表現活動とは違って、どうしてもニーズに合わせていくということだと思います。だから真兵と話せることはとてもよくて。経営者としてではない領域と関わるのは大事ですね。

それと会社とは何かっていうときに、コーポレートガバナンスのことが気になっていて。ここ数十年どんどん会社が株主のものだと言われるようになっているけど、株主資本主義に対していろいろな疑問がもたれているのが今という時代なのかと思います。

代表的なものがSDGsやESGなどで、会社の価値を利益創出力だけに目を向けずに、地球環境問題などにどれだけ貢献しているかなどの指標を導入すべきといったことに大きな関心が集まっています。そういう意味で、今後は新しいコーポレートガバナンスのあり方が出てこざるをえないんじゃないかという期待があります。

何年後か何十年後かわかりませんけど、そのときにPOPERっていう会社が株主資本主義に代わるような地域社会とか地球環境、もちろん株主も含む多様なステークホルダーを見据えて経営をしていたと思われたらいいなと思っていて。

平川:それは大事なことだね。

青木:そういうことを慎吾は目指しているんですけど、平川さんが本書でも書かれていますが、グローバル化した世界においてそういう「身の丈の経営」をしていくためにはどうしたらいいのでしょうか。

平川:栗原さんの立場に立つと、今のマインドを持ち続けながらやるのはすごく難しいこと。

だけど、例えばAppleが最初に出て来たときにヒッピー文化を企業文化の中に入れたんです。Tシャツで仕事したり上下関係をなくしたりね。

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