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「起業は自己実現、でも経営は修行」である理由 元起業家・起業家・私設図書館長が組織論を語る

東洋経済オンライン / 2023年12月8日 10時30分

しかし、東アジアの経営者には、人間として徳を積むこと、修行して忘我の境地に至るとか、我執を捨てるっていうところを目指すなんて人が出てくる。これは本当に東アジア独特の文化なんですよ。なかなかいい文化だと思うんだけど。

一神教の世界はどこまでも自分を確認していく。自分を確認すると自分が固定化されちゃって成長がなくなる。揺れ動いていたほうがいいんだと。自分なんてものはいくらでも変わりうるから。

二者択一をやめて「程度の問題」として考える

栗原:うちはPOPERっていう名前の会社ですけど、僕が卒論を書く時に科学哲学をテーマにして、その中でカール・ポパーに出会ったんです。『開かれた社会とその敵』でもプラトンを全否定して、プラトニズム、本質主義みたいなものを否定するんですよね。自分探しの旅っていうのもそこから来ているのかなって思います。物事には本質がある、イデアがある。それが答えであって、そこに辿り着くことがゴールなんだと。でも東アジアは全く別で、真ん中には何もないわけですもんね。だからポパーの立場からしても結果としては忘我に至るんですね。

平川:どんどんいい加減になっていけばいいんですよ。二者択一っていう合理主義をやめて、程度の問題として考えるっていう。どの程度までだったら共有できるのか。なかなか難しいことなんだけど、これが一番大事なんです。グローバリズム由来の二者択一の論理に侵食されすぎちゃってるから、もう1回いい加減さを取り戻したいよね。でも栗原さんは柔らかい雰囲気だからいいよね。栗原さんの感性のままで生きていくのは苦労するとは思うけど、頑張ってね。

平川 克美:作家、隣町珈琲店主

栗原 慎吾:POPER代表取締役CEO

青木 真兵:「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーター、古代地中海史研究者、社会福祉士

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