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「11歳年下の夫」と月10万円で暮らす彼女の人生 旅行先で出会ったトルコ人と結婚した彼女の選択

東洋経済オンライン / 2023年12月10日 14時0分

(イラスト:堀江篤史)

海外に行くと日本人は若く見られる、という話をよく聞く。ただし、外見だけで生涯の伴侶にしたいと思われることは少ないはずだ。本人に「若々しさ」以外の魅力が備わっていることが必要だ。

Zoom画面の向こう側で取材に応じてくれるのはトルコ在住の安田美紀子さん(仮名、47歳)。神奈川県出身の音楽家で、30歳を過ぎてからパリに音楽留学をし、休暇中に訪れたトルコに心惹かれたという。

お相手は11歳年下のクルド系トルコ人

そして、11歳年下のクルド系トルコ人のハリルさん(仮名)と結ばれ、2018年から一緒に住み、私立学園の音楽教員という安定した職も得ている。なぜトルコで、どのようにしてハリルさんと親しくなったのか。美紀子さんから届いたメール文をそのまま抜粋する。

<当時は中近東やアフリカ諸国で一番安全だったトルコのイスタンブールへの旅行を思い立ち、3泊4日のイスタンブール旅行へ行ったのです。その頃はヨーロッパが文化的にも教養的にも一番と思っていましたが、初めてイスタンブールの地に降り立ち、日本ともヨーロッパとも全く違う第3の文化を目の当たりにして、自分はヨーロッパを見て世界を知ったと思い込んでいたけれど、まだまだ自分の全然知らない世界や価値観が存在したのだと自分の無知さに打ちのめされ、すっかりショックを受けました。

そんな中で、たまたま現地で出会った当時23歳の現在の夫と話すうちにすっかり意気投合して、その頃発達しつつあったスマートフォンやSNSを駆使して遠距離で連絡を取り合い、関係が深まって行ったのです>

美紀子さんは話し言葉もほぼこのままで、率直で行動的で理知的な人柄がうかがえる。それが表情にも表れているので、やり手の商人だというハリルさんと惹かれ合ったのかもしれない。年齢と民族の壁を超えて。

ただし、出会ってから結婚に至るまでは日本とトルコの遠距離恋愛が7年間も続いた。双方の家族に相手を紹介することにためらいがあったのだ。美紀子さんはそもそも結婚願望が薄かったと振り返る。

「小学校時代から音楽大学の付属校に通い、音楽一筋な先生方から『恋愛や結婚よりも練習!』と言われながら育ちました。私自身も専門性やキャリアを追求した人生を送ることが望みで、遅ればせながらパリに留学したのも『ヨーロッパ発の音楽に取り組んでいるのだから、その精神的な土壌も含めて学んでスキルアップしたい』という思いが強かったからです。ピアノ教室の講師をして貯めたお金で渡仏しました。当初は2年計画でしたが、フランスは音楽を学ぶ者へのサポートが厚いので4年間も学ぶことができました」

ハリルさんは話しかけてきた商人の中の一人だった

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