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部下もうんざり「仕事をやたら急かす人」の問題点 仕事を急かさずスピードアップさせる上司も

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 7時0分

仕事を急かす上司の下で働く部下は、なぜ伸びないのでしょうか(写真: KY / PIXTA)

上司の立場からすると、部下の仕事が進んでいるのかどうかは気になるものです。頼んだ仕事をはやく進めてほしいこともあるでしょう。そんな時、仕事ができる上司はどのような声掛けをしているのでしょうか。今回は、安達裕哉氏が上梓した『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』から、圧力をかけずに部下の仕事をスピードアップさせる声掛けのコツを紹介します。

「急かす」と「スピードアップ」は違う

あらゆる会社に、けっこうな確率で、仕事を急かす上司がいる。カッコ内は部下の心の声だ。

【写真】『仕事ができる人が見えないところで必ずしていること』(安達裕哉著)では仕事がデキる人の思考法を解説。

上司:こんな仕事3日でできるだろう。

部下:……はい(いやいや、3日なんて絶対無理だから)。

上司:このプロジェクトは、1か月でやれ。

部下:……頑張ります(いやいや、言っていることを実現しようとすると、最低3か月はかかるから)。

もちろん、「早く仕事をしろ」と言う上司の気持ちもわかる。また、「ひょっとして部下が怠けているのでは」と疑心暗鬼になる上司もたくさんいるだろう。

しかし、上司に急かされても、実際に仕事はまったく早くならないばかりか、かえって部下が上司への対応策を考えるために余計な時間を使うハメになる。

仮に突貫工事で仕上げても、納期に間に合っただけで、肝心のプロジェクトの成果物や仕事のクオリティはおざなりになる。また、それを修正するのに、結局より多くの時間がかかると、なんのために急かしたのかがわからなくなる。

こういった状況に、プロジェクト管理の第一人者であるトム・デマルコは、「圧力を掛けるのが管理者の仕事だと思っている人が数多くいる」と言っている。

しかし、それとは真逆に、部下の仕事をスピードアップさせる上司も存在する。彼らは部下の仕事を急かさない。

上司:早くやれ。

上司:まだ終わらないのか。

そういった言葉は使わない。それにもかかわらず、急かす上司の下で同じ仕事をするよりも、はるかに早く部下の仕事は終わる。

前者は迷惑極まる上司だが、後者はぜひともほしい上司である。いったい何が異なるのだろうか? 違いは、次の2つの発言を部下に対してするかどうかである。

仕事のスピードがアップする2つの言葉

1.私は◯月◯日までに仕事を仕上げてほしいが、これを実現するために障害はあるか? それに対して私が手伝えることは何か?

2.◯◯という要求は必須。◯◯という要求は努力目標だ。

1つ目は、「上司たる自分が手伝えること」を聞いている。

2つ目は、「物事の優先度」と、「到達点」を伝えている。

実際、急かすことは部下の邪魔をするだけでなんの仕事もしていないのと同じである。上司がやらなくてはいけない仕事は、本来であれば「助力」と「要求基準の設定」であるにもかかわらずだ。

仮に部下が怠けているとしても、この方法であれば、部下に成果を約束させることもできるし、適正な納期を設定することもできる。

だから、この2つの発言をするだけで、部下の仕事はかなりスピードアップする。圧力を掛けるだけ、という愚を犯さず、上司は自分がやるべきことをやろう。

見えないところで必ずしていること
「手伝えること」を聞いて、「物事の優先度」と「到達点」を伝える

安達 裕哉:ティネクト代表取締役

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