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訪日外国人が満喫!一味違う「日本の地方旅行」 ガストロノミーでどう訪日客を引きつけるか

東洋経済オンライン / 2023年12月16日 11時0分

羽黒山参籠所「斎館」の精進料理(撮影:弥桜)

インバウンドが本格回復へ向かうなか、京都や鎌倉など人気観光地で問題になっているオーバーツーリズム。主要観光都市だけではなくほかの地方への観光誘致の施策として、国と各地方自治体が注力するのが、ガストロノミーツーリズムだ。

【写真】山形県鶴岡市の「ガストロノミーツーリズム」どんな内容?

ガストロノミーツーリズムとは、それぞれの土地の習慣、歴史、文化を、そこで育まれた食を通して楽しむことを目的とする旅のことだ。

地域に根づいた食文化を観光とつなぎあわせて集客の目玉にする取り組みとして、足元では観光庁の今年度の採択事業「地域一体型ガストロノミーツーリズムの推進事業」に選定された13の地域が動き出している。

観光に力を入れる山形・鶴岡市

そのなかの1都市が、東北で観光振興にもっとも積極的な自治体としても知られる山形県鶴岡市だ。同市では大自然に囲まれた街の歴史と文化を食膳で伝える、地域の強みを活かしたガストロノミーをテーマに、外国人を対象にしたモニターツアーを実施した。

外国人にその土地の食のコンテンツから、土地の歴史や文化を感じてもらうことはできるのか。各関係者に話を聞き、課題と展望を考える。

鶴岡市は、20年ほど前から「食の都・庄内」を掲げ、地元の地産食材や伝統料理を積極的にPRしてきた。

2014年には日本で最初の「ユネスコ食文化創造都市」(現在は日本で鶴岡市と大分県臼杵市の2都市が認定されている)に認定されたほか、文化庁認定の「日本遺産」に2016年には同市の出羽三山が、翌年にはサムライゆかりのシルクもそれぞれ登録された。

近年は、東北有数の観光振興の先進都市として存在感を高めるなか、コロナ禍を経て、国内だけでなく海外も本格的に視野に入れる。

多種多様な文化、宗教に属する外国人の受け入れに向けて、案内板など情報掲示の整備のほか、食に関してはヴィーガンなどベジタリアンに対応した地産料理の対応の勉強を進めているのだ。そうしたなか、実証事業の第1弾として実施されたのが、今回のモニターツアーだ。

外国人が精進料理に舌鼓

本ツアーは、出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)の雄大な自然に囲まれる鶴岡において、江戸時代から庶民に親しまれた「出羽三山の旅」がベースとなっている。山の修行で「精進潔斎(肉食や酒を断ち、心身を清める)」して生まれかわり、下山後は温泉につかって俗世に戻り、地酒や旬の食材、海の幸を食し「精進落とし」をする、といった内容だ。

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