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「業務を仕組み化」小さな会社が挫折するワケ 「何のために働くのか」を社員は求めている

東洋経済オンライン / 2024年1月4日 16時0分

小さな会社の「仕組み化」が頓挫する原因と正しい進め方を解説します(写真:nonpii/PIXTA)

組織を運営していると「仕組み化しないともう無理だ」と思う瞬間が必ずある。ところが実際は仕組み化をやりきれず、マニュアルや管理表が放置されてしまうケースが多々ある。成長企業研究会の小川実氏の著書『小さな会社の「仕組み化」はなぜやりきれないのか』から一部引用・再編集して、仕組み化が頓挫する原因と正しい進め方を解説する。

伸びない会社の共通点

・毎年度の売上がデコボコで安定しない
・売上、利益が何年も頭打ちになっている
・社員が一人前になると辞めてしまう
・次の幹部が育たない
・新規事業、新規サービスが生み出せない

私がこれまでサポートしてきた中小企業の社長は、だいたい共通してこれらの課題感を持っていました。そしてほとんどの社長がこう言います。

職人的な社長のもとで個人の能力の範囲で事業を維持していく経営を「エキスパート経営」。多様な人材の能力を掛け合わせて事業規模の拡大をめざす「レバレッジ経営」

「いつも頭の中に課題はあるんだけど、忙しくて手が回らない……」

私も自分で会社を立ち上げた身ですから、とてもよくわかります。社長自身がプレイヤーとしても忙しくて、マネジメントの仕事に時間を振り切れないのです。

これでは会社組織というより、個人事業主の延長のような状態です。

さて、普通だったらここで「だから仕組み化だよね」となるわけですが、ちょっと待ってください。仕組みが大事とはいえ、やみくもに進めると失敗します。特に、まだ社員が30人以下の小さな会社はなおさらです。独立・起業した経営者には、マニュアルやノルマで人を管理するのが苦手だという人がたくさんいます。

ここに「やりたいこと」が違う2人の歯科医がいます。

1人は「インプラントで日本一売上が多い歯科医ブランドをめざす」といいます。

もう1人は「地域で一番、人の笑顔を作れる歯科医になりたい」。

どちらがより仕組み化に向いていると思いますか?

この2人の歯科医が進む道には、「エキスパート経営」「レバレッジ経営」という2つがあります。

職人的な社長のもとで、個人の能力の範囲で事業を維持していく経営を私は「エキスパート経営」と呼んでいます。

一方で「レバレッジ経営」とは、多様な人材の能力を掛け合わせて、事業規模の拡大をめざす経営です。

どちらが正解ということはなく、社長がめざす会社の姿によって、選ぶ道が変わります。

先ほどの歯科医の例で考えてみましょう。

「インプラントで日本一売上が多い歯科医ブランドをめざす」としたら、クリニックを増やして、医師やスタッフも大量に抱え、多数の実績を積まなければなりません。

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