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JR各社の「保守革命」、作業ロボット開発の現在地 人型ロボは実用化目前、リニア新幹線向けも

東洋経済オンライン / 2024年1月8日 6時30分

人型ロボット「零式人機」とロボットベンチャー、人機一体の金岡博士社長(記者撮影)

労働力人口が減少する時代において、人間の手で行う鉄道の保守作業をロボットが行う日がいよいよ近づいている。

【写真を見る】ロボットの操縦席に座るJR西日本の長谷川一明社長。JR東海が開発したトンネル内検査ロボット

鉄道各社が開発にしのぎを削る中、人型というインパクトのあるロボットを開発するのがJR西日本だ。ロボットベンチャーの人機一体、大手鉄道信号メーカーの日本信号と共同で、鉄道工事用車両に人型重機ロボットを融合させた多機能鉄道重機の実用化を目指す。

150kgを持ち上げる「零二式人機」

人型ロボットの開発に至った背景は2021年11月29日付記事(SFの世界が現実に、JR西「人型ロボット」のド迫力)、2022年5月9日付記事(JR西「人型ロボ」実用化に挑む3人の社長が描く夢)に詳しいが、その後どのように進展しているのだろうか。

この人型ロボットは2023年11月から12月にかけて開催された3つの展示会、鉄道技術展(11月8~10日、幕張メッセ)、国際ロボット展(11月29日~12月2日、東京ビッグサイト)、JR西日本グループ・イノベーション&チャレンジデイ(12月12~13日、グランフロント大阪)に相次いで出展された。

とくにJR西日本の展示会には同社の長谷川一明社長、人機一体の金岡博士社長、日本信号の塚本英彦社長が会場に顔を見せた。各社長に話を聞くことで現在の開発状況が見えてきた。

JR西日本の展示会には人型ロボット「零式人機ver.2.0」と、同じく3社の共同開発によるシングルアームの重量物ハンドリングロボット「零二式人機ver.1.0」が出展された。零式人機ver.2.0はパワーよりも両腕を器用に動かすことを優先しているため、40kg程度の重量しか持ち上げることができないが、アームに特化した零二式人機は150kgの重量物を持ち上げることができる。

高所における重量物の作業はクレーンなどで吊り上げて複数人で支えながら取り付け作業を行っている。零二式人機が実用化されれば零二式人機が重量物を支え、取り付け作業を人が行うといった役割分担となる。その先には高所作業を零式人機と零二式人機だけで行うといった可能性もある。

鉄道以外の分野向けも開発

国際ロボット展には人機一体が零式人機と零二式人機以外にも開発中のロボットも出展した。

鉄道以外の分野での開発も進んでおり、たとえば、竹中土木、東北電力ネットワークと共同で開発中の「人機GSP」は土木分野や電力分野で使用を想定している。

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