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台湾総選挙・支持者獲得では「空中作戦」も発生 台湾選挙のリアル②・既存の選挙戦に自信がない政党

東洋経済オンライン / 2024年1月11日 15時0分

「そのため、彼らは政治に新鮮さを強く求めている。とはいえ、40~70代の有権者が望むことは、国民党支持であれ民進党支持であれ、激しい変化のない安定感」だと呉沛憶は見ている。

国民党は陸上作戦に強いが空中作戦に弱い、民衆党は陸上作戦に弱く空中作戦に強い。これと比べると、双方バランスよく力を持つ民進党には、どちらの作戦でも伸びしろがあるとも言える。

とはいえ、1996年の総統直接選挙以降、1つの政党が3期以上続けて政権を握った例はまだない。「安定感」を追求する有権者もある程度長期政権疲れを感じており、これまで民進党の支持基盤だった若者層は今、「第3勢力」として急浮上している民衆党に近寄っている。若者と中高年層の民心をともにつかむことは、民進党にとって難しいことだ。

選挙戦の半ばまで、民進党は空中作戦で苦労した。20%の青年がTikTokを利用しており、民衆党の柯文哲が公式アカウントをつくって積極的に選挙戦で利用している。

国民党の候友宜はアカウントを持っていないが、林家興をはじめ多くの立法院候補もTikTokを利用して有権者へアプローチを繰り返している。

しかし、民進党候補は国家安全と反中のため、中国企業であるTikTokを拒否している。現在、TikTokでは多くの動画が民進党に否定的・批判的なものだ。このまま放置すれば、若者層に悪影響をあたえるのではないかと民進党内では心配する声が多い。

終盤で起死回生の空中戦

この苦境を乗り越えるため、民進党は動いた。1月2日に発表した4分ほどの選挙動画だ。これは、蔡英文が車を運転し、助手席には頼清徳候補が座っている。これまでの4年間と今後の未来について話を交わす。

その後、蔡英文が車を海岸沿いで止めて降り、頼清徳が運転席に座り、助手席には蕭美琴が座った。民主主義というバトンを継いで、民進党が政権を取ることを訴える内容だ。

台湾特有のヒップスター的な方式で撮り、ネットでは大きな話題を呼んだ。公開されて4日で徴収回数が1000万を突破し、選挙戦終盤で若者の民心をつかんだケースとされている。

楊虔豪:台湾人ジャーナリスト

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