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超人気「オカルト系YouTube」数奇な誕生の背景 登録者数32万超「都市ボーイズ」が生まれるまで

東洋経済オンライン / 2024年1月16日 13時5分

「食えなかった期間が長いからだと思いますけど、『急に、食えなくなるんじゃないか?』とか変に考えちゃって、眠れなくなる日がありますね」と語るはやせさん(筆者撮影)

これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむが神髄を紡ぐ連載の第114回。(前半はこちら)

怪奇ユニット「都市ボーイズ」のメンバーであるはやせやすひろさん(35)。

【写真】怖い…呪物コレクターとしても知られる、はやせさん

タレント養成所「ワタナベコメディスクール」内の「作家企画専攻」コースで、後にユニットを組むことになる、放送作家仲間の岸本誠さんと知り合った。

卒業後、制作会社の手伝いをすることになったが、はやせさんとの付き合いは続いていった。

彼女の貯金を取り崩しながら生活

「僕はガキ使の時の精神的ダメージがかなり残っていてアルバイトができなくなってました。フリーランスとして仕事を取っていたんですけど、人と接する時はつい、『この人も殴ってくるんちゃうか?』とか思っちゃってパニックになったり。そもそも苦手だった対人関係も、ますます苦手になってしまいました。

がんばって行こうとしても、『●●駅集合です』って言われて、その駅に近づくとパニックになってきて、電車を降りて吐いてしまう……とか」

職場に行けなくなるたび、彼女に、

「彼の具合が悪くなったので、行けなくなりました」

と電話をかけてもらった。

なかなか仕事に行けず、月平均4万円くらいの収入しかなかった。足りないぶんは、彼女に払ってもらっていた。彼女は高校時代から貯めていた貯金を取り崩しながら、生活していた。

「そこでまた調子に乗っちゃったんですよね。『この子がお金出してくれるからいいか』みたいに思っちゃって。彼女のお金でオカルトの取材を始めるんです。中には韓国のチェジュ島など、かなり遠出をしたこともありました。2人で行って、飯代もホテル代も全部出してもらいました。結構、ヒモっぽい生活していましたね。

他にも、お義父さんやおばあちゃんにもらったお金も、全部取材につぎこんじゃいました。お義父さんは『借金を返すために』って貸してくれたので、1カ月で使ってしまったと告白したらすごい顔をして『そりゃ、使っちゃうよなあ……』って言われました。

端的に言えばクズだと思います。

当時、そんな不義理をしたのに未だに応援してくれていて本当にありがたいです」

その時代の取材の様子が、初の著書である『闇に染まりし、闇を祓う』では存分に描かれている。現地に赴いての、現場主義的な取材方法は評価も高い。書籍も発売してすぐに話題になった。

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