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「読書」のハードルがグッと下がる意外な読書法 今年こそきちんと読書をしたい人にオススメ

東洋経済オンライン / 2024年1月16日 18時0分

今年こそ本を読みたい、でも時間がない……そんなあなたにおすすめしたい、読むのが楽しくなる読書法をご紹介します(写真:Fast&Slow/PIXTA)

動画やSNSなどネット利用が増える一方で、読書が減っている、と危機感を感じている人は少なくないでしょう。が、読書の仕方を少し変えるだけで、読書習慣を身につけることができます。

本稿では、テレビプロデューサーの傍ら日々膨大な数の本を読み、東京大学大学院の博士課程でメディア研究も行う角田陽一郎氏が、今年こそ本を読みたい、という人に読書が楽しくなる本の読み方を紹介します(『どうしても動き出せない日のモチベーションの見つけ方』より一部抜粋・編集して構成しています)。

速読のコツは「速読しないこと」

読書は、YouTube やアプリ、ニュースサイトなどで情報を得るのと比べたら、圧倒的に時間がかかります。だから、本を読むなら速読して、早く情報を手に入れたいという方も多いと思います。

ただ、読書という行為においては、情報を得る以上に、その本から自分が何を感じ取り、どう変化していくかが大事だと思っています。その意味で速読は、その本に書いてある情報だけを手に入れる、という読書の限定された機能しか使ってないのでもったいない。新幹線だとゆっくり景色が楽しめないのと似ている気がするのです。

「本はゆっくり読むと、速く読める」。これは井上ひさしさんの言葉だったかと思いますが、例えばトルストイなどを読むと、登場人物が死ぬほど多くて、ついていけなくなります。なので、物語の最初はわざとゆっくり読むんだそうです。すると、「あ、この人物はこういうキャラクターなんだ」とだんだんわかってくる。

初期設定のうちに速読しようとすると、むしろわからなくなるので、ゆっくり読んで、それでつまらなければ読まなきゃいい。読んでいるうちに話が動いてきたり、自分自身が興味を持ててくると、速度はひとりでに上がっていきます。

その時にはもう設定が把握できているので、後半ものすごい速さで読める。結果、速読しているのです。

前半はゆっくり、後半はスピーディーに

『カラマーゾフの兄弟』という、ドストエフスキーの世界的な名作があります。新潮文庫で上中下巻の3冊に分かれていてなかなか取っつきづらいのですが、ある時期の新潮文庫に小説家・金原ひとみさんのこんな推薦文がありました。

「上巻読むのに4カ月。一気に3日で中下巻!」

これもまさに「初期設定」で時間がかかったけれど、その後のめり込んで速読になったことが端的に示されています。速読するためには、まずゆっくり読む方がいいんです。

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