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生成AIが広げる「少数の一流」と「それ以外」の格差 「2:8の法則」の「8」にあたる仕事が減る

東洋経済オンライン / 2024年1月17日 15時0分

今は人間のクリエイターの方が優れていたとしても、3カ月後、1年後にはどちらの方が優れているのかはわかりません(写真:Graphs/PIXTA)

「2024年、あなたの仕事はAIに奪われますよ」と言われたら、あなたはどうしますか? 予測不可能な未来において、絶対に起きない未来なんてありません。経営戦略コンサルタントの鈴木貴博さんは、「2024年、生成AIによってホワイトカラーの仕事が大量に消滅するだろう」と予測します。

※本稿は鈴木貴博氏著『「AIクソ上司」の脅威』の内容を一部抜粋・再編集したものです。

早まったクリエイターの仕事消滅

従来は、クリエイティブな仕事が消滅するのは比較的遅い2030年か2035年頃になるのではないかと予測されていました。しかし昨今の生成AIブームで多くの人々は、このクリエイティブジャンルの仕事がAIに奪われてしまう未来がすぐそこに来ていることに気がつきました。

そもそもここ数年、そのような兆しは見えていました。

世界最高峰の絵画コンテストと写真コンテストでどちらも最優秀賞を受賞した作品が、実はAIが生成したものだと後から種明かしをされるという事件が起きていたのです。仕掛けた人たちは「近い将来、こういうことができるようになる未来においてどのようなルールを作るべきか、議論を始めたかった」と語っています。

ところがその議論が始まる前に、AIによる画像生成のサービスが始まってしまいました。これは、存在しない写真やイラストをAIが自動で生成してくれるサービスで、10年前のクリエイターの感覚で言えば魔法のようなものです。

ソフトウェア大手のアドビが、ファイアフライという名前のクリエイター支援アプリの提供を始めました。これは、テキストを打ち込むだけで簡単に画像を生成してくれるサービスで、私のような素人でも「香港やマカオの繁栄をイメージしたイラスト」とか「AIネットワークをイメージしたCGイラスト素材」などと打ち込むだけで、AIが画像を自動で生成してくれます。

このサービスはウェブメディアやブログ、YouTubeでの動画配信など、メディアを通じて情報発信をする事業者すべてが使うようになるでしょう。結果として、多くの発注者がイラストレーターやカメラマンに仕事を依頼しなくても済むようになります。

性能は日々進化している

「いやいや、実際にファイアフライを使ってみたけど、生成される写真がなんか変だから、プロに修正させないと実用面では使いものにならないよ」

という意見もあるかもしれません。「日本のオフィスでパソコンに向かって文字を入力する女性」というテキストから生成された写真の指が6本あった、みたいな話はよく聞きます。

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