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2浪阪大「物理学者の夢破れた」彼が歩む意外な道 ジャニーズ問題等の企業リスク扱う准教授に

東洋経済オンライン / 2024年1月21日 12時10分

いったんは工業高校に進学して手に職をつけることも考えたそうですが、将来の選択肢が狭まることを考慮し、偏差値50程度の公立高校の普通科に進学します。そこでも勉強はあまりしなかったそうで、入試の成績で振り分けられた上位のクラスから、真ん中のクラスに落ちてしまいました。

この低空飛行の生活が一変したきっかけは、クラスでのいじめでした。

無理やり学級委員長にさせられた

「田舎だったためか、小学校からずっといじめの対象になっていたんです。自分自身が変わった子だったのもありますが、左利きだったことや、離婚した家庭であったことなど、ちょっとしたことでからかいの対象になったので嫌でしたね。

そうした仕打ちに我慢できなくなったのが高校2年生のときです。クラスの学級委員の投票をする日に学校を欠席したのですが、その際に無理やり学級委員長にさせられていたんです。

人との意思疎通が苦手な自分には向いていないことが誰の目にもわかりきっていたので、明らかないじめでした。それを母親に相談すると、『そんな高校やめたら?』と言ってくれたので楽になって、大検を取って大学に行こう、と覚悟を決めて1週間学校を休んだんです」

その後、担任の先生が家まで説得にきてくれて、学校にもう一度通うようになります。学級委員の投票もやり直され、周囲のあからさまな嫌がらせも減ったようですが、学校が居心地の悪い場所であることには変わりなかった西山さんは、いったん大検の勉強を決意したこの一件で、自分の将来に目的意識を持ち、勉強にのめり込むようになります。

「もともと学ぶことは嫌いではなかったので、勉強を続けることができました。そのうち、自分の成績が悪いのは、頭が悪いのではなくて、いろんなことに興味を持つからなのではないかと思うようになったんですね。水がH2Oと言われても、ニュートンの運動3法則と言われても、周囲の生徒のようにそれを常識だと信じ込んで丸暗記するんじゃなくて、なんでそれが必要かを疑問に思い、突き詰めて考えるから時間がかかってしまう性質があるのだと気づいたんです」

「学校でやらないアインシュタインの相対性理論を自分で勉強していた」3年生当時の西山さんは、学校の勉強に加えて毎日4~5時間の勉強を自分に課します。この猛勉強により、偏差値は1~2年生時の45前後から52~53に上昇し、鳥取大学や島根大学の工学部でC判定くらいまでに上げることに成功しました。

センター試験の日にまさかの事態

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