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2浪阪大「物理学者の夢破れた」彼が歩む意外な道 ジャニーズ問題等の企業リスク扱う准教授に

東洋経済オンライン / 2024年1月21日 12時10分

「自分の失敗で阪大に落ちたことが悔しかったですし、もう1年やったら京大の理学部にも行けるかもしれないと思ったんです。将来研究でノーベル賞を取るなら、やっぱり京大に行きたいという思いがありました。周囲には(合格しているのに)もったいないと言われましたが、幸い母親は『あんたが満足いくまで勉強しなさい』と言ってくれました」

過去に湯川秀樹氏や朝永振一郎氏をはじめ、ノーベル物理学賞の受賞者を輩出している京都大学。まだ自分の力は伸びると信じ、最高の環境で自分の力を高めることを目標にしていた西山さんにとっては、再度の浪人もどんとこい、という姿勢でした。

彼は自分が現役時代・1浪目に落ちた理由を「勉強方法がわからなかったから」と分析します。

「当時はまだ受験指導の多くが根性論だったので、何をどのようにして勉強をしていいかわからなかったんです。だから自分で和田秀樹さんの著書を読みながら勉強法のノウハウを吸収して勉強しました」

2浪目からは専攻科をやめ、自宅浪人で問題を1つひとつ突き詰める選択をした西山さん。この年も前年から変わらず1日15時間勉強の生活を続けました。

「大変でしたが、勉強することへの苦痛はなくなりました。京大の問題はものすごく頭を使うので、難しいクイズを解くような感覚があり、知識を身につける、学んで何かがわかる、という物事を積み上げる感覚が喜びに変わっていった期間でしたね」

1人で歯を食いしばって勉強していたため、「歯が曲がったんじゃないか」と思ったほどの過酷な浪人生活。

その甲斐もあり、偏差値も67~68に上がり、東大・京大もC判定が出るようになったと言います。センター試験(現:共通テスト)では前年と同じ790/900点程度を獲得した西山さんは、満を持して京都大学の理学部を受験しました。しかし、今回は万全の状態で臨み、実力を出し切ったものの落ちてしまいました。

「数学がとても難しくて、力負けを実感しました。試験が終わった後、前の席のガリ勉っぽくない普通の女の子が、自分が苦しんだ数学で『簡単だった』と言っているのを聞いて、全然(レベルが)違う人がいるんだと衝撃を受けました。『世の中にはすべてを得ている人がいるのに、なんで自分は一生懸命勉強しても、1つも欲しいものを得られないのか』と思って生きるようになりましたね……」

2浪目で大阪大学に合格した

しかし、捨てる神あれば拾う神あり。後期で出願した大阪大学工学部には合格できた西山さんは、なんとか2浪で、1浪目で第一志望に設定していた大学に入ることができました。

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