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台湾・民進党勝利の陰で逝去した民主革命家の人生 台湾民主化に命を懸けて闘った施明徳さんの人生

東洋経済オンライン / 2024年1月22日 8時0分

「民主主義という価値観を共有する」という空虚な言葉が飛び交うが、では台湾の民主主義の中身がどのようなものなのか、考えての発言なのだろうか。

日本は、中国との関係ばかりで台湾を見過ぎだ。とらえどころのない14億人の巨大な中国大陸に比べて、人口2300万の台湾が理解しやすいと考えるのは間違いだ。

「親日台湾」という日本人の認識にも、より深い検証を加えなければ台湾の人々の真意は読み取れない。台湾社会の複雑さは外部の人間からはわかりにくい。

台湾の複雑さを理解することの難しさは、日本人にとってだけのことではない。単純に「統一」だとか「同胞」だとかの目で台湾を見がちな中国の人たちが、台湾の人たちの複雑な心情を本当に理解することは、いかに台湾に対する知識が豊富にあったとしても、極めて難しい。

施明徳さんは、台湾の民主化を進めるために命を懸けた。一生、権力に対して戦い続けた。しかもスマートで格好よく、そして楽観的に。その彼が今の民進党や国民党を、さらに民衆党を、そして台湾を、中国を、日本を見たら、いったいどう思うだろうか。

施明徳さん死去の知らせを聞いて、深い感慨に浸ってしまった。台湾の尊敬する「革命家のロマンを持つ実務家」の冥福を祈る。

早田 健文:在台湾ジャーナリスト、『台湾通信』代表

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