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全ビジネスパーソンがプレゼンを磨くべき理由 科学的に明らかにされているコミュ力の価値

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 11時20分

現代ではプレゼン力がますます重要視されるようになっています(写真:cba/PIXTA)

ビジネスでは、営業提案や会議報告にはもちろん、ちょっとした自己紹介にもプレゼンの能力が必要とされている。

しかし、こうした状況にあっても、プレゼンに対して苦手意識を持っている人は少なくない。

そこで、経営学者にしてYouTuberでもあり、起業家でもある中川功一氏が、科学的に実用性の高いプレゼンの方法論を平易に解説した『一生使えるプレゼンの教科書』を出版した。

本記事では、本書からなぜ全ビジネスパーソンにとってプレゼン力が、キャリアを向上させるうえで重要なのかを紹介する。

コミュニケーション弱者は、機会を取りこぼす

近年、世界的にSTEM:Science、Technology、Engineering、Mathematics――すなわち理系的思考力の重要性が強調されるようになっている。皆さんは、このSTEM能力と、コミュニケーション能力とで比較したとき、どちらがどれだけ稼げるか、ご存じだろうか?

アメリカで、このことを検証した30年分のデータベースを用いた大規模な調査が行われたのだが、その結果は衝撃的なものであった。コミュニケーション能力のほうが、数学的思考力よりも、はるかに時間当たり賃金の上昇に寄与していたのである。

自然に考えれば、両方の技能が高い「高コミュ力・高数学力」な仕事についている人が、最も賃金アップしているはずである。が、実際のところは、1990年・2000年はむしろ「高コミュ力・“低”数学力」な仕事をしている人のほうが、賃金上昇率が高かったのである(その後、2005年、2010年では「高コミュ力・高数学力」が逆転している)。

注目すべきは「低コミュ力・高数学力」の仕事の賃金上昇度である。両方のスキル要求度が低い「低コミュ力・低数学力」より高いのはよいが、「高コミュ力・低数学力」に比べるまでもなく賃金は低迷してしまう。数学力よりも、コミュ力だという厳然たる事実が、ここで示されてしまっているのである。

※画像は東洋経済オンラインに掲載。
注:縦軸は1980年を基準とした賃金上昇率。
出所:Deming, D. J. (2017) “The Growing Importance of Social Skills in the Labor Market.” Quarterly Journal of Economics 132(4): 1593-1640.

これがよいことなのかどうかは、また別の話として。

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