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全ビジネスパーソンがプレゼンを磨くべき理由 科学的に明らかにされているコミュ力の価値

東洋経済オンライン / 2024年1月24日 11時20分

皆さんの実感も、その通りだと思うのではないだろうか。上手にコミュニケーションが取れる人が出世するし、会社で重宝されている。

私自身もつくづくそれを実感している。私はもともと学者としてキャリアをスタートして、近年はスタートアップ経営者に転じているが、その間、一貫して私を支えているのは、コミュニケーション能力のほうであったと確信している。

大学の先生で人気講師として活躍していたときも、国際カンファレンスで座長をつとめることができたのも、多数の著作を出せたのも、転じてYouTuberとして一定の成功を得られたのも、スタートアップとして資金調達に成功したのも、クラウドファンディングで3000万円を集められたのも――すべて、私がコミュニケーションに秀でていたからだと確信している。

コミュニケーション力があれば、人生とキャリアが、明るい方向に開いていく。

コミュニケーション力がないと、人生とキャリアで、つまらない損をしてしまう。

他者とのコミュニケーションを苦手としている方々に強調したい。皆さんは、そろそろ、事実から目を背けるのをやめた方がいい。コミュニケーションが上手ければ、確かに皆さんはより多くの機会を得ることができるようになる。データを、歴史を、理論を紐解けば、コミュニケーション能力が、社会・組織の最重要スキルであることは明白なのだ。

アメリカ経済の25%が「説得」でできている

まずは、コミュニケーションをめぐる「データ」から見ていくことにしよう。

喋りの上手さというものをめぐっては、多くのビジネスパーソンに誤解されているきらいがある。「喋りだけ磨いても、薄っぺらい人間になる」「意識の高い、世の道理が見えてない若造のやること」「喋りなどより中身で勝負しろ」「プレゼンなどしなくても、正しいことをしていれば必ず気がついてくれる」などなど。

だが、現実に目を向けてみてほしい。皆さんの職場で、果たしてどれだけの割合が「相手を説得すること」に使われているだろうか。営業現場、求職活動、新人教育、部下への指導、提携先との交渉、投資家へのプレゼン、メディア対応……。現代では、私たちの社会活動のかなりの部分を、誰かが誰かに説明・説得する行為が占めるようになりつつある。

ここに、驚くべきデータがある。イリノイ大のマクロスキー教授の推計によれば、2005年のアメリカで行われた労働の約19%が説明・説得行為であり、国民所得の少なくとも25%が説得行為から発生したものであるとされる。マネジャーともなればその業務の75%までが他者を説得することであり、アメリカの全雇用1億4200万人のうち、2300万人以上が、業務の75%以上を人に説明・説得する仕事をしていると推計されている(1)。

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