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学生に「AIを積極的に使おう」と促す切実な理由 9割の学生がChatGPTを使っていなかった

東洋経済オンライン / 2024年1月29日 11時30分

生成AIが普及していくことで失われる職業はあるのでしょうか(写真:World Image/PIXTA)

昨今話題の生成AI。2023年12月には、Googleが新しい生成AIモデル「Gemini」を発表するなど、今後ますますテクノロジーは進化していくでしょう。本稿は、駒澤大学経済学部准教授の井上智洋氏による最新作『AI失業』より、生成AIによって変わる仕事のあり方についてご紹介します。

生成AIが切り開いた新たな世界

MidjourneyやStable Diffusionのような「画像生成AI」は、「水平線に沈む夕日」などの指示文を入力するだけで、数秒ほどでそれに応じた絵や写真の画像を作成してくれます(図1‐1)。

【画像を見る】AIで作った架空の古代遺跡

ただし現時点では、英語で指示を出す必要があります。他方で、ChatGPTに代表される「言語生成AI」は、さまざまな質問に答えるだけでなく、論文や小説、プログラムなども作ってくれます。私たちが仕事や趣味で気楽に使えるようなそうしたAIが、大きなインパクトをもたらしています。

特にChatGPTが、新たなAIブームを巻き起こすに至ったのは、人とコミュニケーションできるという特徴が大きな要因だったのではないでしょうか?

みなさんはふだんスマホのロックを解除するときに、指紋認証や顔認証を行っていると思います。それらには「画像認識」というAI技術が応用されていますが、多くの人はAI技術と意識して使っているわけではありません。普通の人が想像するAIというのは、人と対話できるようなものではないでしょうか? そういう意味でChatGPTは、AIと実感しやすいサービスだと言えます。

中には悩み事をChatGPTに打ち明けて、相談に乗ってもらっている人もいます。私も困ったことがあれば、尋ねることがあります。たとえば、「鼻づまりが治らないんですけど、どうしたらいいですか?」と聞くと、ChatGPTは「塩水を使って鼻を洗浄することで、鼻の中の粘膜を潤わせることができます」などと、もっともらしい回答をしてくれます。

AIが人の代わりに働き得る時代になりつつある

2016年頃に始まったAIブームで、「AIは期待ほどではない」と思った人が少なくなかった理由は、コミュニケーション力が弱く、大した知性を感じさせなかったからでしょう。以前から、人と会話ができるAIである「チャットボット」(会話ボット)が存在していたのですが、そんなに的確な返答はしてくれませんでした。

ECサイトで顧客の質問に答えるサービスにもチャットボットが使われていましたが、決まり切った言葉を機械的に返してくるだけだったのです。このレベルのチャットボットでは限界があるため、カスタマーサポートを人の手に任せる企業が多いわけです。

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