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韓国大統領が「岸田首相愛」をほとばしらせるワケ 1日でも長い岸田政権継続を願う尹錫悦

東洋経済オンライン / 2024年2月3日 7時50分

日本のメディアでポスト岸田に向けた動きや岸田政権の行方が取りざたされる中、韓国政府も調査を進めた。これまで比較的、韓国に厳しい態度を示してきた有力政治家が、事件の表舞台ともいえる安倍派に属しているケースが多いことは、韓国側にとって悪い状況ではなかった。

徴用工問題で当時の安倍晋三政権が韓国に対し、半導体素材の輸出規制を強化した事実上の経済制裁は、韓国政府の解決策発表に伴い解除されることが両政府間で決まっていたが、解除に最後まで難色を示した経済産業相だった西村康稔氏や、萩生田光一・前政調会長らに対しては、韓国側は政治資金疑惑が浮上する前から警戒を抱いていた。

これに対し、次期首相にふさわしい人物を聞く調査の常連である石破茂・元幹事長や上川陽子外相は、韓国側にとっても親しみの持てる政治家だった。

徴用工問題が燃えさかっていた2020年1月、石破氏が韓国の有力紙『東亜日報』のインタビューで「首相になれば、韓国の歴史をもっと勉強したい。日本人が自ら過去の責任を明確に検証しなければならない」と語ったことは、今も韓国政府の対日外交担当に、強い記憶を残している。

上川氏が2023年、前任の林芳正・官房長官と交代して就任した際、韓国政府内の一部には先行きを不安視する声もあった。当時の朴振(パク・チン)・韓国外相と林氏は旧知の間柄で、首脳同士と同様、外相会談を重ね、個人的な信頼関係が強まっていたためだ。

しかし、上川氏は2023年9月、就任直後にニューヨークの国連総会に出席し、早速、朴氏と会談した。翌10月に上川氏は、東京都内のホテルで開かれた韓国政府主催の建国記念日(開天節)の記念レセプションに姿を見せた。現役外相のレセプションへの出席は2018年以降は途絶えており、韓国大使館関係者を驚かせた。

1日でも長い岸田政権を望む尹政権

しかし、たとえ「親韓」的な政治家が有力候補にあがっても、尹政権が岸田政権の1日でも長い存続を切望する姿勢に変わりはない。

実際に政権交代となれば、誰が首相になるかは見通せないこともあるが、何より、これまでトップ同士が引っ張る形で築き上げてきた実績を超える関係をつくれるとは考えにくいからだ。

かくいう尹政権も、2024年4月10日に控える総選挙を前に、厳しい政局運営を迫られている。若者世代の支持が厚いとされる、まだ30代の与党「国民の力」の元代表が2023年末に離党し、新党をつくると宣言した。

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